どうも、ふじたりあんです
僕は少し前まで、フリーランスのイラストレーターとして生計を立てたい。と考えていました
また、機械工業系の情報系学生ということもあり、サイトを自作したり、いろいろと自動化してみたり……、他のフリーランスはやっていないようなことを実験的にいくつも実践してみました
その成果を今回の記事で説明しつつ、フリーランスに必要な戦略について、お話してみようかと思います!
実験したことはたくさんあるのですが……、まず初めに、個人的に力を入れている”リンクの方向”について、自分の例を交えて語ってみようかと思います
フリーランスを目指す方に限らず、複数のサービスやアカウントを持っている方には役に立つ知識だと思うので、どうか最後までお付き合いください^^
リンクには方向がある
初めに、リンクには方向というものがあります
普通にネットサーフィンしているとわかりにくいですが……、相互リンクではないリンクは一方通行のリンクということです
ツイッターを例に、見てみましょう
上のような、ツイッターのリンクの貼り方がそれにあたります
右のラノベアカウントからは左のメインアカウントに一発で行けますが、左のメインアカウントから右のラノベアカウントへは一発ではいけません
これが、リンクの方向です
つまり、ラノベアカウントからメインアカウントへの流入はできるが、メインアカウントからラノベアカウントへの流出は起こらない
ということになります
もうお分かりかと思いますが、リンクの方向を戦略的に行うことにより、“何かのコンテンツを餌に、メインコンテンツに人を集めることができる”
ということができます
僕の場合は、創作分野が広いので、例えば、
ラノベを読みに来た人がメインアカウントでイラストを見てくれる
といったことを、流出のリスクを考えずに実現できるというわけです
そしてこの図が現時点でのリンクの方向を表した図です
だいぶごちゃごちゃしてますね……
これでも簡略化した図です。実際のリンクはこの十倍はあります
僕はこういうシステムを考えるのが好きな人種で、かつ創作分野も広いためにリンクの数が多くなっていますが……普通のフリーランスでもこの半分くらいのリンクはあったほうがいいと考えています
このように、戦略的なリンクの貼り方をすることにより、力を入れているサービスに人を集めることができまるというわけです
そして、これにより。すべてのサービスに力を入れるのではなく、少数のサービスに力を入れ、効率よくクオリティを上げることができるというわけです(後ほど詳しく説明します)
ストック型とフロー型について
まず、このリンクの戦略を理解する前に、ストック型とフロー型の違いについて知る必要があります
これを知っていれば、どのようにリンクを貼ればいいのかが見えてくるでしょう
フロー型コンテンツ
はじめに、フロー型コンテンツの話をします
フロー型コンテンツとは、ツイッターのツイートや、インスタの投稿など……、
短時間で流れて行ってしまう(フローしてしまう)コンテンツのことです
ツイッターの投稿も、ツイートしてから数日はいいねが来ますが、それ以降は来ませんよね、
大量生産。大量消費型のコンテンツということです
ストック型コンテンツ
対してストック型コンテンツとは、フロー型コンテンツの反対。投稿したあと継続的にアクセスが期待できるコンテンツのことです
youtubeの動画やストック素材なんかがこれに当たります
少量生産。少量消費型のコンテンツということです
上の画像はpixivでの例です
このように、フロー型コンテンツでは、1年以上前の投稿でも継続的に、アクセスがあります
毎月270件。この1作品だけで1日10件近くの閲覧があることになりますね
そして、言うまでもありませんが……、ツイッターの場合。この作品の告知ツイートは1年以上前のものです。今更アクセスする人はいません
これがストック型とフロー型の違い。フロー型が単発的なコンテンツなのに対し、ストック型は継続的にアクセスが期待できる。継続的なコンテンツということです
と、こうして書いてみると、ストック型コンテンツに欠点がないように思えますが……、その通りです
個人的には、フロー型コンテンツはストック型コンテンツの下位互換でしかないと考えています
コンテンツが命のイラストレーターにとっては、です
それに、どちらか一方を選ばないといけないという決まりはありません
ストック型とフロー型。両方を両立させてもいいということです
イラストレーターはフロー型になりやすい
フロー型コンテンツというのは主に、作るのが簡単なコンテンツに当てはまる気がします
ツイートなんて、スマホで文字を打つだけでも簡単にできますね
そして、アマチュア絵師の多くはこのフロー型コンテンツのみを無意識に生産している傾向にあると感じます
イラストメイキングの動画を投稿している人もあまりいませんし、ブログを書いている人も少数です
大多数はツイッターやpixivに公開するだけです
趣味程度でやるのならそれでもいいのですが……ただ、それでは身が持ちません
病気や怪我である程度の期間生産できなかったら……生存確認ツイートをしないとフォロワーが離れてしまうかもしれませんし、検索結果のアルゴリズムにも嫌われてしまうかもしれません
そもそも、ライバルの絵師たちは皆、上手な絵を描き続けています
それに画力だけで応戦するのはいいのですが……、ストック型コンテンツを意識して展開すればもうワンランク上の絵師と戦えるはずです
ストック型コンテンツが増えれば増えるほど、足場が高くなるイメージです
フリーランスとして強固な地盤を築き上げるためには、フロー型を脱することが必要になるというわけです
脱フロー型絵師
では、フロー型を脱するにはどうすればいいのでしょうか
その答えはたくさんあります
一番簡単なのは、普段描いているような絵をpixiv等のストック寄りのサービスに公開することですが、ただそれには一定以上の画力が必要となります
いくら下手な絵をpixivに公開したとしても、継続的なアクセスは望めません
これは僕が導き出した答えですが、一定以上のクオリティがあるとその絵はストック型コンテンツになり、そこまで達していないクオリティだと、その絵はフロー型コンテンツになります
pixivに限りません。youtubeも、google検索でも。そのような決まりがあります
これはおそらく。それぞれのサービスのアルゴリズムが、アクセス数やユーザーの評価。閲覧時間などを考慮してそのコンテンツを評価し、おすすめとして表示するか否かを半断しているためだと思います
一定以上の評価があれば継続的にユーザーに表示されるため、継続的にPVがありますが、クオリティが伴わないとPVはありません
つまり……。画力があればこの戦略は不要、ただ、画力がなければこの戦略が必要
というわけです
そして、ここで。脱フロー型絵師になるにはどうすればいいかですが……
画力に自信がない。もしくは画力には自信があるがコンテンツをストック型にしてより強固な地盤を築きたい場合。疑似的にフロー型コンテンツをストック型コンテンツにすることができます
具体的には……、ストック型コンテンツを餌に、フロー型コンテンツのアクセスを伸ばす
ということです
ストック型コンテンツを餌に、フロー型コンテンツのアクセスを伸ばす
ここでもう一度、先ほどの図をご覧ください
ここまでの記事を読んだうえでこの図を見ていただくと、気付くことがあるかもしれません
それは……、矢印の多くがストック型→フロー型という向きに流れている
ということです
そしてこの際なのでもう一つ
矢印の多くがサブコンテンツからメインコンテンツの向きに流れている
という法則もあります
この2つが矢印を設計するうえで大切なことです
具体的な例を挙げると……、
ニコニコモンズ(フリー素材配布サービス)からホームページへの流入はあるが、逆はない。
ノベルアップ+(ラノベ発表)からツイッターアカウントへの流入はあるが、逆はない。
ということです
これにより、本当に見せたいメインコンテンツに広範囲から人を集め、PV数を増やし、それによって相乗効果を得る。ツイッターやyoutubeを成長させる
ということができます
また、サブコンテンツは言ってしまえば餌であり入り口でしかありません
そこからの流入が最初はホームページやツイッターに来ます
そして、そのホームページやツイッターでは力を入れたコンテンツをリアルタイムで発信しています
なので、無理にすべてのサービスを高頻度で更新する必要はなく、ハブとなるサービスのみを重点的に管理することで、全体の印象が変わるということです
死んだ創作者ではなく、生きた創作者という印象を持たせることができます
これが、ストック型コンテンツを脱した絵師。ストック型とフロー型の違いをリンクの方向によって上部にコントロールしてアクセスを増やす
これができる人こそが今後のフリーランスにおいて力を持つのではないでしょうか
その他の戦略
ここまでで、”ストック型とフロー型をリンクの方向でコントロールする”というトピックについて触れてきましたが、リンクの方向という考えが芽生えることにより、いくつかの戦略が思い浮かびます
フリーランスにとって、必須ではありませんが、少なくとも逆効果ではありません
無いよりはあったほうがいいのではないでしょうか。ここからはその戦略をいくつか短く挙げてみます
ホームページは必須
創作分野にもよりますが、ホームページは必須です
イラスト、アニメーション、3DCG……、創作の分野が増えれば増えるほど、その分ホームページの重要度は増してきます
ウェブデザインなどの知識がある方はなおさらです
それは、先述した通り、リンクの行く先であるハブ的なサービスとして必要ということももちろんありますし、それとは別に、ホームページがあることにより、そのクリエイターがすごい人に見えてしまいます
絵を額に入れたような感覚です。額に入っている絵はなんだかすごく感じませんか?
それと同じで、クリエイターにホームページがあるだけでなんだかすごく感じます。そしてそのすごさは仕事の獲得、クライアント様への信頼へとつながるのです
最近では無料でもホームページが作れるようです。僕の場合は月額250円のサーバーに契約し、wordpressというフォーマットのようなものを使ってブログを書いたり、お問い合わせフォームを設置していますが……その効果は絶大です
そもそも、この記事だってホームページの一角です
こうしてブログを書くことで、新たな入口となる。自分という存在を世に知らしめる媒体となるわけです
また、お問い合わせフォームがあるだけでもすごい人に感じます
ポートフォリオとしてのページを作ってみるのもいいし、お仕事実績のページを作るのも可能です
カスタマイズ次第で可能性は無限大です
僕の場合、これをたったの月額250円。大学の学費なんて月10万以上です。4か月に一回ラーメンを我慢するだけで予算が確保できてしまいます
これをやらない手はないのではないでしょうか
※注意
無料のサーバーがあるようですが、あれは避けたほうがいいかもしれません
というのも、あの手のサーバーは広告を勝手に表示させてきたりします。これではクリエイターのブランドに泥を塗ることになるので、かえって逆効果かもしれません
サブチャンネル、サブアカウント
サブアカウントやサブチャンネルを持つのもフリーランスに有効な手段です
昔は僕も、有名youtuberがサブチャンネルを持っているのを見て、「管理する手間が増えそうだなぁ……」とか思っていました
ただ、本格的にチャンネルを管理している今。その考えは覆りました
例えばYoutubeでの例です
チャンネル登録をしてくれる方々は何を登録しているのかというと、クリエイターを見たくて登録している……というわけではありません
Youtubeに限らず、ここを勘違いしている人もいます
というのも、チャンネル登録者はクリエイターの姿を見たいのではなく、クリエイターの創作物を見たいというだけの話なのです
つまり、絵を描いていた人がいきなりドラムを叩きだして動画を上げ始めたら……チャンネル登録者が減ってしまいます
当たり前ですね、これはまだわかりやすい例です
イラストメイキングを投稿していた人がいきなり声出しでお絵描き配信をしだした。その小さなギャップですらチャンネル登録者数を減らす要因になりえます
背景イラストレーターが萌イラストにいいねを付けただけでも減りかねません
そして、これを解決するのがサブアカウントです
アカウントを分けることにより、客層も別けることができます。客層の違いにおびえてコンテンツの方向性に悩む必要もないということです
メインチャンネルで告知をすれば、メインチャンネルの根強いファン方がチャンネル登録してくれるかもしません
それに、先述した通り、リンクの方向を熟知することにより、サブコンテンツを餌にすることができます
僕の場合は、youtubeのチャンネル3つがそうです
※リンクになっています。実際に3つにチャンネルのコンテンツ、リンクの数と向きを見てみるとわかりやすいかもしれません
といったように、サブコンテンツを使ってメインチャンネルに人を集めることだってできてしまいます
さらに、サブアカウントを作ることにより、万が一のメインアカウントのトラブルにより、すべてを失うことがない。という保険の意味もあります
最小限の創作で最大限のコンテンツを
これも重要なことになってきます
例えば僕の場合。一つの絵を一つのサービスで公開……というような贅沢なことはしません
絵を1枚描いたらそれをいくつものサービスで公開。ということをしています
実際に「東京市」という作品の場合、完成作品は以下の場所で公開しています
それだけではありません。
完成前の様子をツイッターのサブアカウントで公開することにより、メインアカウントのタイムラインを圧迫することなくコンテンツを作り出したり、アニメーション作品を作ってさらにyoutubeに公開したり……一つの作品をいくつもの場所で、コンテンツとして公開しています
- youtubeでアニメーションとして公開
- youtubeのアニメーション公開告知ツイート
- youtuebでメイキングを公開
- youtubeでのメイキング公開告知ツイート
- pixivでうごイラとして公開
- BOOTHでフリー壁紙として公開
- 完成前の様子をツイッターのサブアカウントで公開
- アニメーション作品に使ったCGを壁紙として公開
- そのほかにもたくさん
このように、ストック型フロー型云々の前に、コンテンツはいくつあっても構いません
その点。サブアカウントのようにアカウントを分けることで、同じコンテンツを何度も公開しているという印象を持たれることもありません
以上がサブチャンネル、サブアカウントを持つ理由です
複数スキルで複数ジャンルの顧客を獲得
これも大切なことです
例えば、イラストを描ける人がデザインをすることができれば……
デザインから完成品まで。一人に頼むことができます
ほかにも、ブログを書いているイラストレーター。動画編集もできるイラストレーター。3DCGもできるイラストレーター。スキルを組み合わせることで創作物は多様なものとなります
それは、仕事を頼むクライアント様から見れば、ひとりにすべて頼めるというメリットになりますし、クリエイターからしたら、自分の考えだけで作品を作れる。世界観がぶれることがないというメリットになります
さらに、マーケティング的な観点から見ても。リンクの方向という概念と組み合わせることにより、他業種の方々をイラストへと誘ったり、その逆をすることができたり。広いフィールドからファンを獲得することができます
また、サブアカウントと同じような考え方になりますが、多ジャンルに手を出すことは、それ自体が保険となりえます
絵でやっても無理だった……だったら同時並行で取り組んでいた3DCGで仕事をもらおう
ということもできますし、
絵でやっても無理だった……じゃあ3DCGと組み合わせて差別化を図ってみよう
という戦略も可能となるわけです
そしてそもそも。創作とは表現です。それを自分一人でできるということは創作の楽しみにもつながります
ほかのクリエイターに気を使って自分の表現を曲げる……ということが起こらなくなるということです
これは創作の楽しみにもつながり、結果としてクオリティーに影響します
フリー素材はおすすめ
フリー素材はおすすめです
ストック素材とも呼ばれる通り、フリー素材は究極のストック型コンテンツです
そして、そのストック型コンテンツを入口として、ホームページやツイッターに流入する経路を一方通行のリンクによって整えることにより、フロー型コンテンツしかないツイッターにストック型コンテンツからの定期的な流入を見込めます
僕の場合は、イラストというスキルを活かしてフリー壁紙を配布したり、動画編集のスキルを活かしてフリー動画素材を配布したり、アニメーション作品のために収録した音源をフリー音源として配布したり、いろいろな素材をいろいろな場所で配布し、ストック型の入り口として活用しています
……詳しくはフィールドレコーディンページにて語っているので、興味がある方はご覧ください
ブランドを意識する
これに関してはリンクの方向関連の話ではなくなってしましますが、
ブランドには尊厳と統一感。2つの面があります
人に例えるなら、“性格”と“見た目”みたいな感じですね
尊厳に関してのブランドは言うまでもありません。ステマをして好感度が下がっただとか。ツイッターで炎上しただとか、そういったことです
“ブランドに傷がつく”のブランドです
ただ、ここではそのブランドではなく、もう一つのブランド。統一感についてです
例えば僕の場合、“イメージカラーはオレンジ”、“サムネには英語を使わない”、“ロゴマークをいたるところに入れる”などがあります
まとめ
これが俗にいう、マーケティングです
これができるかできないかでフリーランスの運命は大きく違いますし、フリーランスに限らず。昨今の経営戦略はインターネットありきのものになっています
世に出る社会人も、これから世に出る学生も。趣味で創作する人も。この能力があるかないかで大きく変わります
先日、マーケティング関連の対談をして感じたことですが……、絵師にとってのマーケティングは2種類あると感じました
一つが、作品を変えるマーケティング
そしてもう一つが、作品の周りを変えるマーケティング
です
そして僕は心のある創作者です。作品を変えるマーケティングは本末転倒だと思っています
それゆえ、今回の記事で説明したようなマーケティングの手法をとっています
この記事で書かれた手法はいずれも、作品には一切の影響がありませんね
“2次創作はPVが稼げるから描いたほうがいい”
“10分以上の動画は収益化において有利”
“18禁イラストはPVが稼げる”
そんなことは一切せずにPVを獲得できる方法です
思い通りの作品を描きつつできるマーケティング。これを無意識にも突き詰めた結果、現在のようなリンクの方向。フロー型とストック型。その他もろもろの戦略に行きついたんだと思います
これが本来の創作の楽しみ方であって、僕の生きる意味でもあります
今後も、芸術性と生産性。商品としての価値と芸術としての価値
両立できるクリエイターを目指してがんばります^^
ありがとうございました