まず、ここで言う人とは、物質的な人体ではなく、精神的な、俗にいう魂のことを指す
前からいろいろなところで言っていることだが、魂は情報量であり、生きるのと同時に触れる情報が固まってできたものだ
言い換えるなら記憶、記憶に時間軸が加わったものが魂と言えるのかもしれない
そう考えると、人が体を捨てるためには記憶と言うものを別の容器に移し替える必要がある
その容器はおそらく、機械的な物、コンピューター的なものになるだろう
魂の本質的な形は情報でしかないから、それを保存できる構造さえあれば魂を運用できるはずだ
ただ、先にも言ったように、魂とは記憶に時間軸が加わったものだ
つまり、引越しをするように、瞬時に移動できたり、人間が力によって移動させたりはできない
脳内の記憶を定量的に、デジタルデータに変換することができ、かつ、それを脳と接続して魂の抜け道を作ったうえで移動できるのなら、短時間でも移動できるかもしれない
ただ、それを実現させるには脳と記憶の関係性、それのデジタル変換を完全に理解しないといけない
場合によっては、脳内の構造は人それぞれ違うため、それはほぼ不可能かもしれない
だから、人間の魂を引越しさせるようにコンピューターに移動させることは難しい
ただ、別の方法はある
まず、魂を一気に移動させようとはしない
最初に脳とコンピューターとを接続し、五感から入力されたデータを保存できる回路を用意する
実際に使用可能となれば勝手に脳はそっちに向けでデータを送るはずだ
その状態で脳を徐々に破壊する
そうすることで、人の自我はコンピューターの中に移動する
そして、この状態でオンラインにつなげば、自我は情報を自分の体と同じ自由度で瞬時に感知できる
もはやそれは万物を把握する神なのか、電子データに溶けて消えただけなのか、永遠に死ぬことのできない自我になってしまっているのか、わからない
魂は五感によって入力された情報が時間と共に脳内に蓄積されて生まれたもの