「Sonny Boy」

Sonny Boy_1
©Sonny Boy Committee

僕がアニメを作るとしたら、こういうアニメになるかもしれない

というセリフを、フリクリのレビューの時にも言った気がする

このアニメを見る前、フリクリっぽいアニメという印象があり、見始めた当初も同じ、今も同じだ

控えめにした影と、いつでも晴れ渡っているかのようなライティング、

ビビッドな色使いと、シンプルなレイアウト

それらにフリクリと重なる部分があったのかもしれない

ただ、内容としてはフリクリよりも僕好みで、素晴らしく作りこまれた作品だと思った

この作品の監督、夏目真悟監督の作品はほぼチェックしていなかったが、今後、チェックしたいと思う

そう思えるくらいによかった

具体的には、高校生という、多感で変化にとんだ年代を、変化の全くない世界に落とし込んだ点が、この作品の一番の成功だと思う

物理法則など基本的に逸脱できる世界だから、画面の美しさにすべてを全振りできる

そして、その特性を存分に生かして作られたアニメだと思った

中盤、少し寄り道のような印象を得たのでそこが残念だったが、それを入れてもなおこのアニメは僕の今まで見た中でも5本の指に入るくらいの作品だ

中盤もペースと流れを保っていれば、史上最高のアニメになっていてもおかしくなかった

というのも、この作品のテーマである可能性、時空、コピーなど、超科学的なテーマは僕も好きで、いつも同じことを考えていたりする

このブログにもよく書いているようなことだ

それをそのままエンターテイメント作品にしたような感じだ

カット割りに関しても独特な世界観が出ていてすごくよかった

BGMが少なく、環境音が多めで、ただ、無音の時間もある

強烈なノスタルジーを感じられるアニメだった

まるで、バックルームズみたいな感じだ

この世界にできたバグ空間に迷い込んだような、

そんな抽象的テーマでありながら、具体的な描写が多く、没入感がある

おすすめです!

P,S,

このアニメづくりに対する情熱をどこにぶつければいい

サニーボーイを見て改めて、僕は2Dアニメを作りたいのだと自覚した

3Dアニメーションは手軽に情報量を増やせるからよい

ただそれでいいのか?

情報量を詰め込むことが絶対の正義だとは思わない

ということはイエメンの記事でも触れたと思う

情報量での勝負ではなく、ほかの分野での勝負

僕はそこに惹かれるし、ノスタルジーを感じる

だから僕は3Dではなく2Dの仕事をしたいと思う

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