僕が物語を書くうえでできることは、物語の中にある世界の運命をいじくることだけだ
というか、極論。それしかしてはいけない
例えば、動物にやさしいという性格を持った主人公がいたとする
そして、主人公が歩いているとき、道端にけがをしてにゃーにゃー泣いている猫がいたとする
主人公は猫を抱きかかえ、獣医さんにもっていく
……という小話があった時、僕ができるのは、キャラ設定以外だと、猫がけがをしているという運命。それを主人公の前に落としてあげることだけだ
ここでの主人公の行動には一切の矛盾が無く、主人公の性格と挙動の自然さを保ったまま、物語を進展させることができた
まず主人公の人格が完成したとき、そこからどういう運命を背負わせるかによってのみ、物語は進展する
そうすることで、脚本に動かされる登場人物ではなく、脚本を動かしていく登場人物が完成する
ということではないだろうか
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