ヒーローズジャーニー理論について

例えば、音楽理論は音という現象に対して、数値による評価を可能にする理論だ

そしてそれは、人間が音を聞くという生理的な現象を考慮したものだ

つまり、脳の作りから見て、魅力的に聞こえる音を公式として示し、理論として確立している

こういった芸術を心理的に分析した理論は積極的に信用すべきではないだろうか

僕という人間は抽象的な分野が得意だが、具体的なことは苦手だ

それを補ってくれる理論は学ぶべき物だと思っている

ただ、少し前まで、こういった理論は音楽にはあっても映画には無いものだと諦めていた

あったとしてもそれは人間が理解できるような単純なものではなく、もっと複雑なものだろう……と思っていた

ただ最近、脚本の勉強をしているなかで、ヒーローズジャーニー理論というものを知った

そしてそれは、音楽でいうところの音楽理論と重なる部分があることに気が付いた

音楽理論は、人間が気持ちいいと感じる音の並びに法則を見出したものだ

それは、人間が持つ聴覚の構造と、この世界の環境、物理法則から、この音の後にこの音が来るとしっくりくる。という、ある種必然的な価値を記号化したものだ

そしてそれは、音だけに当てはまるものではない

物語にも同じような理論が存在する

ヒーローズジャーニー理論というのは神話に基づいた理論だ

ヒーローズジャーニー
画像引用元:カスタマージャーニーに違和感を感じる人必見!Carlijn Postmaが提唱するオーディエンスジャーニーとは?

神話には特定の物語の型があり、それは歴史上様々な地域、時代の物語にも当てはまる

そしてそれは現代の物語の多くにも当てはまる

ということだ

これは、音楽の進化が理論として画一化したのと同じように、人間の生理的な評価基準にその物語の型が当てはまったためではないだろうか

その物語の共通項として、一般化して公式にしたのがヒーローズジャーニー理論だ

なぜなら、ヒーローズジャーニー理論は人の人生のフォーマットに重なるから

人が物語に求めることは様々だろうが、その大多数を占めるのが「主人公の成長を見たい」だ

それは単なる大枠でしかないので、それに味付けをしていくことで物語はユニークなものになる

エヴァンゲリオンだって、桃太郎だって、スターウォーズだって、主人公の成長に感動する作品だ

AKIRAでさえ、日常から非日常への旅立ち、助言者的役割の存在、敵の存在、そして最後に普段の生活に戻るという、大枠に当てはまっている

これまでの人生において自分が楽しい、悲しいなどの感動を覚えた場面には共通点があり、それは脳科学上の理論で説明できる単なる現象に過ぎない

そして、その現象を定量化して図式化したのがヒーローズジャーニー理論だ

だから、人の人生を目撃することに価値を見出す物語である以上、ヒーローズジャーニー理論に当てはまる物語構成が最適解として必ず存在する

ということではないだろうか

なので僕はこれから、この理論をもとに脚本を書いてみようかと思う

それがSFなのか違うのか、

その作品で僕は何を伝えるのか、

主人公はどんな悩みを抱えたどういう人なのか、

そういった要素を自分で見出し、この理論に当てはめて作ってみようかと思う

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