メディア作品に登場するプロダクトデザインについて

今、自主制作をしていて強烈に感じることがある

メディア作品のプロダクトデザインには必ず、物理法則あるいは人間科学的な裏付けが必要だ

例えば、今。自主制作アニメーションの中に登場するエレベーターのデザインを考えていた

ただ、そこで必要になってくるのが、宇宙船のデザインだ

全長数十キロの宇宙船のデザインが固まらないと、エレベーターのデザインが決まらない

これは一見するとおかしな話のように思える

ただ、あらゆる物のデザインというのは、使う人が快適に使うために形作られるものであるべきであり、

かっこいいデザイン。というような、天から降ってくるようなものではない

なので、デザインをする場合、最初に。その周辺の状況を把握する必要があるということだ

今回の場合だと、エレベーターのデザインをするのに宇宙船の構造が決定している必要があった

なぜなら、宇宙船の構造により、重力の向きと、エレベーターの軌道が決まる

始点終点では重力の向きが逆転するので回転できる機構ではないといけないな、

あとは、筒のようなエレベーターシャフトを移動する際、中の人が快適に立っていられるように、重力場が斜めにあるエリアを通過するときは斜めに傾かないといけないな

だとか、

そういう、宇宙船が創り出す物理的な条件によってデザインというのが初めて生まれてくる

なので、宇宙船が決まらないとエレベーターが決まらない

というようなことになっている

これは単なるこだわりではなく、本来の創作物の中に出てくるプロダクトデザインというのは、こうあるべきだ

デザインをしてそれに主人公が乗るのではなく、

世界観と物理法則と文化が決まって初めて、デザインというのが自然発生してくる

現実世界のプロダクトデザインは、ある条件下において最も適した形状が採用される

つまり、何かを伝えるためにデザインするのではなく、すでにあるデザインを探るという方が近い

考え方がおそらく、大多数の人とは逆だ

能動的か受動的かの違いだ

デザインするという行為は受動的であるべきだと思う

そうでないと、デザインではなく表現になってしまうからだ

それに気づけずに病んでいたのが研究室での僕だ

ただ、卒業間近になって運よくアイデアが降ってきたので何とか卒業はできた

そして、あの後、脚本でも同じような挫折を味わったりして、僕は今ここで書いたようなことに気づいた

すべての創作物を理想的かつ、超現実的な結果にもっていきたければ、それを作るという行為が受動的であるということを念頭に置いて作る必要がある

なので、現在制作中の自主制作アニメーションに登場するデザインも、そういった心意気で作る予定だ

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