物語のあらすじ、解説

舞台

地球が住めなくなったため、移住先へと向かう宇宙船群だが、道中、パンデミックにより宇宙船は次々と放棄されていった。

最後に残った宇宙船もまた同じくパンデミックに襲われ、わずかに生き残った人々も物資を使い果たし、全滅。

そんな宇宙船でロボたちだけが掃除、メンテナンスなどをし続けている。

人間の骨も、清掃ロボットにゴミとして回収されていった。

生き物が全くいない。ホコリ一つない世界が舞台

劇場パート(クラシック系)

映画を見るロボ。実は、真似をするというのが機能として備わっている。

主人公は映画館の警備ロボ。

人間が遺した映画をスクリーンで鑑賞し、映画が終わったら誰もいないまま出口付近で案内し、終わったら映画館を巡回する……、

ということを長い間繰り返すうちに、ロボットは人間の遺した映画の真似をしだし、やがて原始的な魂を持っているかのような振る舞いをしだす

忘れていた本能を思い出す

そんなある日。ミリタリー系の映画を見ているとき、誤って自らの持つ潜在的な機能、レーザー弾を発射してしまう

初めて目の当たりにする自身の機能に驚き、それを再現しようと試行錯誤しているさなかに、ロボは自らに与えられた役割の外、映画館の外の世界を知る

主人公ロボは上映前のブザーを無視し、外の世界に踏み出す

「ありがとう」の文字に見送られるように、外の世界に向かう

外の世界パート(洋楽カントリー系)

初めて見る世界を主人公ロボが彷徨う

無人運転のモノレールや、巨大なビル、同じように使命を全うし続けるロボたち

そういったものを横目にしつつ、誰もいない巨大な世界を探検する

宇宙船の中心軸に近づいたエリア。居住区よりも少しだけ重力が弱い

ナイトスペースと呼ばれるエリアを探検しているとき、主人公ロボは同型の警備ロボを見つける

充電切れによりふらふらとよろめく同型ロボは主人公ロボの目の前でとうとう力尽きてしまう

主人公ロボはその頭を拾い上げて、映画館に持ち帰り、映画を見せる。

椅子に座らせ、映画を見せて、というところで、同型ロボは停止してしまった

ゴミが集積される場所。ただ、長年放置され、ゴミは満載のまま

主人公ロボはその清掃ロボを葬るために、ゴミピットと呼ばれる縦穴にそのロボを投棄する

ただ、そこで目にしたのは、同じように壊れたロボたちの残骸の山だった

壊れたロボ、道具たちを目撃し、同じことが今の世界で起こっているということにショックを受け、同時に、それを解消したいという感情が芽生える

警備ロボとしての製造過程でインストールされた船内の構造、コントロールルーム、人間の存在を察知し、メインタワーに向かう

エレベーター(バトル系)

ひときわ高くそびえたつメインタワーにロボが向かう。

閉鎖中のゲートを突破したことにより、警備ロボたちが出てきた

その中に紛れ込むようにして潜入し、エレベーターのゴンドラに近づく

が、あと少しのところで気づかれてしまう。

追われながらも間一髪エレベーターに飛び乗り、エレベーターホールを抜ける

ただ、上昇する途中で、戦闘ロボがガラスを突き破って無理やり飛び乗ってきた

戦闘ロボは主人公ロボと同じような見た目をしているが、細部が少し違う。実戦用にパワーアップされている

警備ロボには備わっていない物理的な武器でガラスを破壊し、飛び乗ってくる。

そんなロボと上昇するエレベーター内で対峙。しばらくの時が流れた後、戦闘ロボが主人公ロボを銃撃しようとする

……が、戦闘ロボの腕についたバレルは曲がり、撃つことができなかった

なので戦闘ロボは主人公ロボに体当たりする

主人公ロボは抑え込まれ、ガラスに身体を打ち付けられてめきめき言っている

追い詰められた主人公ロボはとっさに、自身のレーザー銃を発射、

この球体が生むジャイロ効果によってロボたちは姿勢を制御している

戦闘ロボのジャイロボールに穴が開き、カタカタと音を立てて高速回転を始める

エレベーター内をぐるぐる回り。最後にはガラスを突き破り、落下していく

それを見下ろす主人公ロボ、戦闘ロボは落下しながら高速回転し、腕と頭が四方に飛び散っていった

天球ディスプレイ。人が作った空=ロボットの自然

そのままエレベーターは上昇を続け、天球ディスプレイを抜ける

空だと思っていたものが実は、人間の作ったディスプレイだった

裏側には巨大な空気循環用のファンや、メンテナンス用の通路、ケーブル配管などがびっしり並んでいる

そういうエリアをエレベーターは抜け、宇宙船外部の外郭に差し掛かる

この宇宙船は主に、超重量物質である芯と、それを覆う負の質量をもつ物質の外郭によって構成されている。エレベーターは天球ディスプレイを抜けた後、外郭を通過するため、一回無重力になって天地が反転する

途中、無重力空間を抜けつつ、重力はこれまでいた居住区と反転。エレベーターの終着点であるコントロールルームにたどり着く

コントロールルーム(アンビエント系)

宇宙船先頭部にあるコントロールルーム。白い旗はかつての人類のアイデンティティの面影

コントロールルームにて、主人公ロボは初めて、ここが船であることと、外には何もないことを知る

自然の明かりに照らされ、鋭い影が落ちるコントロールルームを進む

大きな空間の真ん中にポツンとおかれたソファとテーブル、アイドル状態のテレビのもとにたどり着いた

人が生み出したごみ、本は知識の象徴、散乱しているゴミと主人公ロボは実は同じもの。人間に作られて捨てられた存在

周囲にはごみと本が散乱し、ソファには見たことのない物体が横たわっている

人間の骨に何かの意味を見出しつつも、骨に関する情報は主人公ロボは知らないので、それが何なのかもわからない

周囲のゴミ、本などを見まわしていると、一つだけまた異様なものがあるのを発見する

黒点は星を示している。自然の象徴。それがスタンドによって囚われている。主人公ロボは囚われた自然をすくい上げる

主人公ロボはテーブルの上に置かれた異様な物体、黒点を手にする

そして、辺りを見回し、また先に何かあるのを見つける

クライマックス(クライマックスクラシック系)

黒点が太陽系を模して回っている

宇宙船の先端には同じような黒点がいくつか回転していた

そして、中心には何も置かれていないスタンド

主人公ロボは辺りを見習い、自分が持っている黒点を真ん中のスタンドに返す

暗闇に包まれていく感じは今後のコンポジット作業で表現していく予定

すると、コントロールルームのシャッターが音を立てて閉まり始める

天球ディスプレイ。劇場、船内のすべての機関が停止をはじめる

給電が停止した主人公ロボもすぐにパワーダウンする

シャッターにさえぎられ、暗闇に包まれつつあるコントロールルームに後ずさりしながら、腕が取れ、最後には頭だけになって床を転がる

原始的な魂が芽生え始めたロボは、世界に干渉する可能性を失った

そうして観測者がいなくなった宇宙は崩壊し、最後にはすべてが無に還った

宇宙船の全容

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