ブラックスワンを見た

僕はサイコホラーが大好きな人間なので、もちろん楽しめた

昨日あたりからアマプラで配信が始まったので早速見た

パーフェクトBlueに似ているというようなことをどこかで聞いた気がするので、気になっていた

実際見てみたところ、確かにそんな感じで、個人的にはパーフェクトBlueの方が好きだが、ただ、ブラックスワンも普通に面白かった

ただ、唯一個人的に気になっている点として挙げられるのが、CG、VFXを使って幻覚として見ている世界を表現している点だ

perfectBlueのような幻覚を見ている系の作品は、VFXでは表現できないと断言できる

パーフェクトブルーが良かった理由は、それがアニメという媒体だからだ

アニメはすべてが作りものなので、幻想と現実の区別はその構造段階から差分がない

夢も現実も同じ紙に、同じ色で、同じレイヤーで作業できる

なので、幻を見ているという作品のテーマを100パーセント表現できるのでは

その点、パーフェクトブルーは幻覚の世界を最後まで真実の世界として描き切ることができている

ただ、ブラックスワンは実写なので、幻覚を表現するのはVFXでないといけない

いや、全ての幻覚の表現をVFXで表現する必要はないので、ブラックスワンのような作品も作れるはずだ

ただ、ブラックスワンの場合はXFVをバリバリ使って幻の世界を具体的にしていた

それは幻覚幻聴、妄想性障害の表現としては適していない気がする

例えば、最高の映画の一つ、シャイニングなんかは、完璧に現実と同じフィールドで、幻覚を上手に表現していた

赤い液体が流れてくるイメージを、実際に赤い液体を流して表現していた

これにより、映画の登場人物が見ている恐怖、もしくは監督が表現したい映画世界内の恐怖、を、完全に登場人物と同じレイヤーで表現することができていた

ブラックスワンの惜しい所は、幻覚というものを表現するのにVFXという手段をとってしまったことだろう

それ以外の表現はおおむね良かった

特に、殺害したと思わせておいて違ったというのは良かった

幻覚を見せるためにはあのような、現実的な方法でそれを表現しないといけない

幻覚と現実

両者を同じレイヤーで作らないと、幻覚は途端に作り物っぽくなる

ということだ

というのを踏まえてもブラックスワンは良かった

ただ、サイコホラー大好きな僕からしたら、もう一歩引き、幻覚を具体化することなく描き切る方法を考えたほうが良かったのでは、とも思う

というかそもそも、最後の黒い鳥になるVFX丸々いらないのでは

あれは一種の答え合わせであって、あれにより終わった感は出るが、ただ、答え合わせされたことにより、彼女の狂気が薄まった気がする

なんだか、観客にやさしすぎる映画になっている

最後くらいは興奮状態の彼女自身の視点で映画を締めくくりたいという気持ちもわからなくはない

いや、それが一番良い終わり方なのはこの映画の監督も理解しているのだろう

ただ、それを表現するのにVFXという手段は完ぺきではない

とはいっても、僕がもっと良い案を出せるわけではないのでこれ以上は言えないが、別のクライマックスもあった気がしてならない

とにかく、

ブラックスワンは、パーフェクトブルーとセッションを混ぜ合わせたような映画で、総じていうと、とてもおもしろかった

僕が映画を振り返るのはごくごく一部の最低の映画と、最高の映画のみなので、ブラックスワンも最高の映画の一つだった

早く僕も映画を作れる人間になりたい

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