エレベーターは途中、無重力空間を通過する
これは宇宙船の構造によるもので、負の質量をもつ外郭によって居住区に快適な重力を形成するだけでなく、宇宙船外からの飛来物も寄せ付けないようになっている
そういった構造の宇宙船なので、外郭に至るエレベーターの途中。いったん無重力になる
今回の作品では、そういったエリアを通過するカットを3つだけ挟んだ
尺の都合上、このあたりは抽象的な感じに表現している
必要のない展開はなるべく省いた
必要のないと言われれば、このエリアでは特に何も起こらないので、描く必要はない、
が、この無重力の空間を通過する様子はちゃんと表現したかった
というのも、このエレベーターは人間の作った偽物の自然、天球ディスプレイを通過し、神の領域であるコントロールルームに至る
つまり、ロボットからしたらこのエレベーターでの道筋は昇天になる
人間から与えられた活動領域である居住区から、行く必要のない世界に行くというので、その間には何かしら流れを断ち切る境界が必要な気がした
この、重力が反転するというのは、これまでいた世界とは別の世界だということを暗示している
空だと思っていた景色の向こうに、天地が逆のエリアがあった
そこに足を踏み入れるという展開を明確なものにするために、無重力空間を手短に見せるカットを挟んだ
技術的な話もすると、
このカットは、セルルックアニメの良さを含んだ、良い画面だと思っている
本当はガラスにこんなきれいに反射しないし、透明のガラスが焦点を合わせているとしても、おかしい
板ガラスが像をゆがめることはないからだ
ただ、こういう、印象的で抽象的なカットを今回、作ることができた
これは、eeveeの計算の粗末さによる、バグみたいなカットだ
被写界深度は↑のように、普通に出力されるが、透明なマテリアルを挟むと、そのマテリアルがアサインされたオブジェクトの距離に応じて被写界深度がかかる
つまり、透明な板の向こうには被写界深度が適用されないということだ
これはeeveeの欠陥で、今までも、透明なガラスの向こうをピンボケさせたいときはひと工夫必要だった
eeveeではボリュームも同じく適用されない
これを解決するためには、一回透過シェーダーによって完全に透明な出力をし、それに加算シェーダーでスペキュラーの反射成分を加算することで解決できる
そういった解決策が考えればあった気がする
ただ、このカットはこれでよいと思った
というのも、今回の作品含め、僕が画面に求めているのは、絵としての美しさと、記号としての画面、抽象的で平面的な画面だ
その点、今日作ったカットはアニメでありそうな演出だ
それはむしろ、eeveeのバグを使わないと3Dでは表現できない気がした
これに関してはカメラを配置していて偶然思いついた演出だったが、そういったものがたくさんあるので、やはり、3Dでシーンを作った後にカメラアングルを考える。という作り方は良いと思った
今後のスタンダードになる気がする
おそらく僕も、そういう作り方で映像を作っていくと思う

周囲のガラス片はジオメトリノードによって作った
というか、今回の作品は、ジオメトリノードを大量に使っている

単にパスに沿ってガラス片が浮遊するだけだが、これだけでも画面構成が直感的に調整できるようになった
パスをいじってシード値を調整すれば見え方が変わるので、最高の結果のために試行錯誤することができる

ちなみに、背後に流れるライトも、ジオメトリノードによって動かしている
eeveeでは放射するマテリアルが光源として機能してくれないので、ライトを手動で設置する必要がある
今回のシーンではそこまで重いオブジェクトは無いが、ただ、操作性向上の意味も込めて、エレベーターからある程度離れた光源は非表示になるようにノードを組んだ

エレベーターの位置を参照し、それに応じてポイントを削除している

これにより調整されたポイントに、光源を配置することで、余分な光源は表示されないようにした
このオブジェクトを背後の流れるオブジェクトの子にすることで、動かしている
……というようなことを書いていて思うが、
毎日こんなことをやっていて、今までに何十個もこういったギミックを作っている気がする
これらをブログやようつべやツイッターで解説とともに公開していたら、毎日たくさんいいねが来ただろう
ただ、ネタバレ防止の観点からあまり公にはできないし、なんだかツイッターが怖くもある
いいねが来なかったらどうしようと思って毎日毎日ツイートしようと思ってもそれに至らない
ツイートしないといけない作品や動画はたくさんあるのだが、反応が怖くて公開できない
先日、アニメ背景風3DCGの進捗をピクシブに公開したら、オリジナル作品部門58位くらいになった
ランクインすることで、未来の自分に強制的にツイートをさせようと思って投稿したのだが……、結局。勇気が無くてツイートできなかった
こういう、SNSに対する恐怖症は今後、マーケティングできるかどうかの心配にもつながっている
SNSが怖いから、こうしてブログでひっそり公開することしかできなくなっている
今は作ることに専念できるので良いが、今後、この作品を売り込むとき、どうすればいいのかわからないし、その勇気もない
今日、久しぶりに友達と話した
その友達はクリエイターの仲間と何かを作っているようだ
その仲間内でクラファンを始めているようだった
僕にはそういう勇気はない
クレジットに名前をたくさん連ねる人はうらやましく思う
どこでそんな人と知り合うのか教えてほしい
もうそろそろ、世界が嫌いになりそうだ
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