きさらぎ駅を数日前に見た
普通に面白かった
ただ、少し、典型的なホラー演出が目立った
急に音を大きくする、恐ろしい化け物のような姿を画面に映す、
そういう、単純な仕掛けが目立った
きさらぎ駅に関係なく、そういう演出は多くのホラー映画に目立つ
もちろんその演出は怖いと思うので、ホラー映画としては都合が良い演出なのだろう
ただ、こういった大きな音などでビビらせる演出について、視聴者の目は冷ややかな気がする
僕もそう思う
単純に大きな音でびっくりするのは別に映画以外でも起こりうることだ
僕ら観客は映画を見に行っているのであって、大きな音を聞きに行っているわけではない
本当に質の高いホラー映画とは、そういった大きな音などにこだわらず、潜在的な不気味さからくる恐怖を描いているものではないだろうか
例えば、シャイニングという映画は僕の記憶している限り、大きな音で驚かすだったり、異形のものを登場させて驚かす。ということをしていなかった気がする
少なくともそれに頼って作っている感じではなかった
それでいてあの完成度だ
雪、閉ざされる。ホテル。という3つの要素を組み合わせることによって、あれだけの重苦しい空気を漂わせている
そこにあの家族、そしてあのストーリー
ここまでできている時点でもう既に映画は完成している
あとはそこで起こることを描けば、ホラー映画は完成する
ああいった展開こそが最高のホラー映画だと思うし、同時に、その境地まで至っていないホラー映画がほとんどだ
僕が見た中で今のところ一番怖かった映画、ヘレディタリーなどは、大きな音、異形の描写に加え、シャイニングのような雰囲気の不気味さがマッチしてしまったので、あの怖さになった
ただ、あの映画から大きな音と異形の描写をのぞいたら、それはそれでシャイニングのような名作になっていた気がする
あとは、ゆるゆりにもホラー映画に通じる展開が少しだけあったことを思い出した
あかりが実は別のあかりとして物語前半やり取りをしていたという、後味が悪すぎる展開が一回あった
あの展開に恐怖を感じるのは、完全なる不意打ちからの謎展開だったからだろう
それまで日常系アニメとして描かれていたのにいきなり謎の怖い展開が入る
この、謎のというのは重要で、まともな人間が作っているものはそれだけで見る人は信頼して見るので、次の一幕を安心してみることができる
ただ、謎の演出、監督を信用できないような作品になると、途端に作品が不気味になる
ファイトクラブという映画では、フレームに1コマだけ別の絵を挿入するというサブリミナル効果的な演出がされていたが、そういう演出をされたとき、僕は監督を信用できなくなって怖くなった
そういう、監督の人間性が予想できない状態で見る作品はなんだかお先真っ暗な感じがして怖い
今思えば、そういう、人が作っていないと思われるものには底知れぬ恐怖が眠っている気がしてきた
これは恐怖を表現したいときに役に立つ感覚なのでは
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