地球儀はその姿で人類の罪を表していると思う
地球という自然を、人が作ったスタンドに納めて置物にする
それは、人間が地球でやってきたことだ
自然を破壊し、遺伝子を組み換え、いくつもの種を絶滅へと追いやった
それらに関しては基本的には悪いことだとは思いつつも、仕方がないと言いたい気持ちもある
命は命を食べないと生きていけないわけだし、豊かになろうとすることは生きるという行為と表裏一体だ
そういう本能を獲得している時点でそれを律することは個人ではできても集団ではできない
なので人間がすべて悪いわけではないだろう
……という、微妙なニュアンスを今回の自主制作では表現できた気がする
初見の、物分かりが良い人が見れば、僕が見せているのは人間の身勝手さだと思うだろうが、僕のブログを読んで事前知識がある人が見たら、この作品は人間が被害者として描かれているようにも見えてくるはずだ
そして地球儀は、人間の身勝手さの方を全身で伝えるモチーフだ
自然を支配する人類の象徴になっている
それが骸骨のそばのテーブルの上に置かれている
人間が不在でもなお、人間が遺した仕掛けによってとらわれ続ける地球、
これは主人公のロボットと同じだ
それをロボットは抱える
人間が生み出した余波であるロボットが機械的に、自然を本来の状態に戻す
人間に支配されていた自然を元の場所に戻そうとしている
その先にあるのが太陽系だ
星々が本来の姿で動く、自然の象徴としてここは表現した
このロボットは周りの真似しかしないので、ここでも周りを見渡す
そして、中心に黒点を配置することで真似できることに気づき、実行に移す
そして物語が終わる。
この終わり方は、自然を拘束してきた人間の過ちがロボットによって正されたということになる
そして地球の生き物の歴史が終わり、全てが終わる、それを映像で伝えたかった
大事な大事な補足。これはとても大事な補足です。
こう書いてみるとあたかも人間が加害者みたいに思えるかもしれないが、それは違う。
人間は根っこからの悪ではなく、悪にならざるを得なかったがために悪になってしまった、悲しき存在だと思う
人間は加害者でもあり、被害者でもある
無責任に生産し、地球を破壊して多くの生命を傷つけた
そういう加害者的側面、
そして、数億年にもわたる生命の進化の結果、いらぬところまで観測しなくてはならなくなった自我、
もはや生きるのに必要のないことでも苦しまなくてはならない人生、
そういうものを課される被害者としての側面、生き物を傷つけないといけない宿命。
その2つが人間の抱える闇だ
そしてそれが数珠つながりに、作る作られるの関係の間に存在する
人間は運命によって作られ、苦しんでいる
それと同じように、ロボットは人間に作られて苦しんでいる
だから、今回の作品を裏返しにすると、人間が被害者だということが浮かび上がってくる
作品を通して追っていくのは被害者としてのロボットだが、それを伝えることは同時に、人間が被害者であることも伝えている
なぜなら、この作品に出てくるロボット同じ構図に人間はあるからだ
そこまで考えて見てくれる人がいるのであればそれは喜ばしいことだが、セリフの無い映像だけでそこまで理解できる人は恐らくいないだろうからひとまずここに記しておく
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