自主制作メモ:ライティング

今、作っているアニメーションのライティングについて語る

↓はレンダリングした動画だ

これは今日、ライティングを調整したものだが、それにあたり気を付けた点をいくつかまとめる

ライティング調整前は↑のような感じだ

これを調整する必要があったと思ったのは、まず、のっぺりしているため、

影は一応入っているが、前後感が分からず、あまり劇的ではない

この場面は、ロケーションとしては、超巨大空間の淵。というような感じだ

なのであまりぱっきり影を入れるべきではないと思ってはいたが、ただ、さすがにここまでのっぺりしてはいけない

というわけで影がしっかりと落ちるように、ライトの位置を調整した

ついでに気を付けたこととしては、影が幾重にも重なるようにしたことだ

影の数というのはライティングにおいて結構重要だと個人的には思う

そもそもライティングというのは、潜在的にその場の環境を視聴者に伝えることができる

光というのは画面外から画面内に影響することができるため、画面外の状況を画面内に伝えるにはうってつけだ

フォトバッシュ

これは3年以上前の作品だが、この空間に落ちる影の形によって、閉鎖的な印象を見る人に与えることができている

通常は開放的な街の中が閉鎖的で、かつそのスケールが巨大なので、この作品のような良さが出るのだろう

というように、画面の外の物体によって画面内の影や光の当たり方が変わる

それをうまくコントロールすることで、この空間がどういう空間なのかを見る人に伝えることができる

影が幾重にも重なっているという状況は、光源がたくさんあるということだ

屋内で、光源がたくさんある状況。というのを影の数だけで表現できる

この場合、ライトを一つだけにしてしまうと、影が一つだけになってしまうのであまり巨大な感じがしない

ライトが無数に配置されている巨大な空間に落ちる影を演出するために、影が幾重にも重なるようにライトの位置を調整した

↑はまた少し進め、画面右上に赤いライトが当たるようにした

これは、画面外に赤いライトがあるという環境を伝えたくて、そうした

このライトがあることにより、画面内に光源が無くても、何となく。パトランプ的な赤色灯がこの空間にあるのだとみる人に伝えることができる

あとは、カメラに近い部分の地面がまだ少し暗い

壁に重点的にライトを当てているが、その手前にあたっていないので、なんだか狭い廊下のような印象を与えてしまっている

ぱっと見閉鎖的に見えてしまうので、地面を明るく照らすライトを配置して、スケール感を意識してみた

そんなこんなで冒頭のライティングに至る

ライティングは多くのことを伝えることができるのでちゃんとやるべきだ

↑のカットでは2つのロボが画面内に入っている

片方は日が当たっていて、片方には当たっていない

これにより、2つのロボがポジティブなのかネガティブなのか、何となく見る人に伝えている

他にも、影によって画面にコントラストを生んだりもしている

↑のカットでは、白いタワーに白いロボが落ちていくので、本来は画面全体が白くなりがちだが、

そこに巨大なタワーの影を落とすことによって、画面内の明暗のバランスを整えた

それと同時に、黒い影の中に落ちていく白いロボの動きを印象的に描く効果もあるだろう

このカットは生まれかけた魂が死を意識する重要なカットなので、身体がバラバラに飛んでいくというのをしっかりと見せたかった

これをやるためにロボットの顔と腕を浮かせたと言っても過言ではない

せっかく吹っ飛んでいく腕と頭なのに、それが見えないともったいないので、こうして影を落とした

ライティングに関してはもう各カットこだわっているくらいなのでキリがないが、

↑のカットでも、腕を横切るように影を入れた

というよりもこのカットはもともと、全面影だったが、それでは画面内でどこを見ればよいのか、輪郭がぼやける印象があったため、斜めに影を入れた

これにより、またこのカットも印象的になったと思う

このような工夫は、見る人が言語化しなくても何となく雰囲気で感じ取るものなのでしっかり考えて作ったほうが良い

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