先日、「数分間のエールを」のメディア向け試写会に行ってきました
絵について
映画の中にもblenderを使っていると思われる画面が何回か出てきた
そしてこの映画自体もblenderで作られているようだ
ただ、そういうblender感を感じるような場面はなかったように思える
少なくとも、安っぽいとは思わなかった
blenderはフリーソフトだが、それでも劇場映画を作れるのだなと思った
おそらく、シェーディングをのっぺりにしているのはそういう事情があるのだろう
影や光沢を表に出さないことで、絵としての統一感を出すのと同時に、ちらつきなど、そういうトラブルも回避しているような印象を得た
あとは、ところどころ手描きのテクスチャを使った効果を使ったり、画面内のアクセントとなる部分に2Dでのタッチを残しているようだ
キャラに落ちる影も、影とそうでない部分との境界に筆のタッチが入っていた
全体として絵っぽく仕上げることを目標にしているのだろう
脚本について
僕がこの映画に興味を持ったのは、脚本が花田十輝さんだったからだ
僕はあまり脚本家の名前を知っているような人ではないのだが、それでも花田さんの名前は知っていた
脚本についてはネタバレしてはいけないのであまり書けないが、クリエイターの在り方として考えさせられる内容になっていた
夢を追うというのは華やかに見えて実はそうではない。
体を壊すかもしれないし、挫折するかもしれない
そんな中夢を追い続けてそれをかなえた人は幸せだろうが、そんなに世の中は甘くない
それに関して未熟な人物を主人公とすることで、クリエイターとそうでない人との間にある認識のずれのようなものを具体化することに成功している
そのギャップから生まれる話だ
個人的な感想だが、この物語は本当にハッピーエンドなのか? と思った
夢は叶えば万々歳だが、そうならないのがほとんどなわけで、それをあきらめるというのはある種の大人になるということかもしれない
それが大人になるという、なんだかよさげな表現をしてしまうのが人間の悪いところでもある
大人になるというのは何も悪いことではないが、同時に、その必要もないのも事実だ
この映画のこの結末では、大人になるということを拒否したとみなせる結末だった
それ自体は夢を追う人にとっては文字通り夢のあるお話で、よい結末なのかなとも思った
ただ、逆に、夢に破れるというのもそれはそれでありな気がした
むしろ、そこをひとひねりしたら、悲しくも美しいお話になっていた気がする
この映画は続編があるならそこで本当に終われるような映画だと思った
それはそれでよいのかもしれないが、やはりクリエイターとして、夢を追うということについてはいろいろと思いを巡らすところがある
それについての疑問を投げかけるこの映画のストーリーはよいと思った
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