ガールズバンドクライを見た。セルルックCGとはまた少し違う表現。

ガールズバンドクライ_1
©東映アニメーション

3DCGアニメーションで話題だったので見た

あと、シリーズ構成に花田十輝の名前があったので見た

ストーリーに関してもとっても良く、宇宙よりも遠い場所のような雰囲気のある、まとまった話だった

夢に関して負の側面もちゃんと描いているような気がする

同時期に同じようなテーマで花田さんが参加した、数分間のエールとは対照的な作品だと思った。ここまで対照的な作品に同時に参加することは、きっとやりにくいところもあったんだろうな、と思った。

あとは、OPEDの見せ方も良かった

それぞれの糸がつながっていく。過去の自分と今の自分との関係、仲間とともに進むということを映像にして伝えることができていたので良かった

CGに関しても新しく、セルルックCGとはまた別の見せ方をしているところが特異な感じがした

シェーディングをトゥーン調にしていないことがすごい

こういう作品はたいてい、影をぱっきりとさせてしまいがちだが、それをハイライトを除き、一切やっていなかったように思える

ハイライトはぱっきりやるのが正解だろう。髪のキラキラ感はウマ娘のアニメのようにきれいな感じが出ていた

僕がやるとしたら、ハイライトの下に同様に暗い色が落ちるようにすると、さらに奥行きが増すので、そういうやり方をやるだろう

というか、そういうのを今後やっていきたい

ガルクラについて、ほかに気づいたことは、背景は2Dでやり、カメラワークもそれに合わせて2Dにしているところが多く見られたという点だ

3Dのキャラではあるが、カメラの動きを最低限にすることで、デフォルメの効いた画面を作りだすことに成功している

この作品では多少、キャラと背景とが馴染んでいない感じもあったので、そこは課題なのかなとも思った

途中、ドラムにキャラの姿が映り込んでいるようなカットがあったが、そういう演出をほかのところにもすることで、背景との馴染みも良くなるのでは

例えば、アニメだとbookという形で扱われる小物系など、そういうのを3Dでやり、背景との緩衝材にする。

そういう見せ方も考えられると感じた

あとは、このアニメーションはフルアニメーションだが、それ自体もすでに挑戦的だ

個人的にはむしろフルアニメーションのほうが簡単だと思っている人間だが、世間一般には、フルアニメーションは大変なものらしい

確かに、すべてのフレームでアニメーションをつけないといけないので大変かもしれないが、それだって、キーフレーム補完でやっているのだからむしろ楽できている気もする

問題があるとすれば、ぬるぬる動きすぎるので、3DCG感が出てしまうことだろう

今回のガルクラでもそういう危険性があったはずなのだが、そこまで気にならなかった

そういう世界観でやっているというのが最初から明確になっているためだろう

たぶん、そうしたのは、この作品が音楽を取り扱ったものだからだと思う

ライブシーンは作画でやると厳しいというのは昔からそうだろうから、そういうところだけを3Dでやるというのは前々からやられてきた

アニメガタリズのEDだってそうだった

ガルクラではそういう、音楽を取り上げた作品なので、3Dでやることに適した作品だった

あとは、僕はドラムを叩く人なので、どうしてもドラムに目が行ってしまうのだが、

ドラムの演奏シーンはモーションキャプチャーを使ってやったようだ

どこを叩けばどういう音が出るかというのは作中、間違っていなかった

シンバルの揺れ方もとても自然で、アニメ3Dドラムでよくある、スプラッシュシンバルのような揺れ方をするクラッシュシンバルも出てこなかった点が良かった

髪やスカートもクロスシミュレーションでやっていたようだし、そういうことをすると安っぽく見えると思いきや、ほかのクオリティが高かったのでそこまで安っぽくなっていなかった気がする

あとは、3Dでキャラをやると問題になる、デフォルメに関しても、2D素材をたくさん使ってやっていたようで、そこまで違和感なく見れた

おそらく、目の部分に何か張れるような仕組みでモデルを作っているのだろう

そういう工夫や技法が今後生まれてくる

それにつれて3Dアニメが普及するのだろうか。

とりあえず、このガルクラは現時点で最もレベルが高い作品だと感じた

と同時に、僕もこういう作品のクオリティを上げられるように、新しい見せ方を作っていきたい

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