千と千尋の神隠しを見た
確かこの映画はまだ一回しか見たことがなかった
この度、ブルーレイディスクを購入したので、今後は定期的に見たいと思う
この映画はジブリの中でも特に評判になっている作品だが、その理由の一つに、現実世界とジブリワールドとが陸続きになっている点がある気がした
これは、異世界転生物語が流行っているのと同じメカニズムだと思うが、
現実世界と魅力的な世界観が陸続きになっているというのは、見る人が作品に没入するのを容易にする
ジブリは特に、世界観が魅力的なコンテンツでもあるので、そういう世界に浸りやすいという点で、この作品は話題になったのでは?
と感じた
個人的には、この作品はジブリの中ではそこまで好きな方でもない
世界観は特異で、もちろん絵もきれいなので、好きな作品ではあるが、もののけ姫のような凄みは少ないし、火垂るの墓のようなメッセージも弱いと思うので、とても好きというわけではない
世界観の魅力度で言うならばこの作品はジブリの中でもトップクラスに良いと思うが、それ以外で言うとやはり惜しいところもあった
例えばクライマックスの盛り上がりなどは、盛り上がったというよりも盛り上げたと言った方が近いような感じになっているのが気になった
最後、豚を何頭か並べて、お父さんとお母さんを当ててみろという展開があったが、あの展開は本当に必要なのか疑問に思った
わかりやすいクライマックスなので、音楽もそういう感じのものが使われていたが、あの展開は映画を締まりよく終えるためだけの展開なのではと感じてしまう
あの場で豚の中から選ばせるということをしないと元の世界に帰れないという設定があるので、あの展開が必要だったのかもしれないが、それでも、あの中に両親はいないのだから、わざわざあの場に行ってあの展開をする意味もよくわからない
もしくは、あの行動に何か宮崎監督の伝えたいことがあったのだろうか
であればよいが、それにしても。あのシーンのクライマックス感はなんだか中途半端な気がした
クライマックスっぽくするならもっとクライマックスっぽくしても良いと思うし、個人的にはあの展開をクライマックスにするのは厳しい気がしたので、むしろもっとあっさりした感じに見せるのも良い気がした
というよりも、この作品は盛り上がりポイントが多すぎるので、クライマックスっぽい描写がクライマックスっぽい印象になっていない
聲の形みたいな感じだ。凝った演出を序盤からしてしまっているのでクライマックスが映えない
千と千尋の神隠しはエンタメ作品として優秀で、見所がいくつもある
そういう作り方は終わった感を出すのが難しいのかもしれない
だとしたら、むしろ終わり方はそっけない感じにしてみたり。そういう作戦のもと終盤の展開を考えてみる必要がある気もした
あとは、終盤のところで言うと、本当に細かいところだが、トンネルから出ていくカットで、千尋たちはトンネルに入ってきたカットと同じ向きに歩いて行ったが、あれは逆のほうが良かった気がする
入ったというのと出ていったというのは逆の方向に進むという見せ方をした方が、言って帰ってきた感が出るので良い気がした
とはいえ、やはりジブリ作品らしく、とても良い作品だった
ほかのジブリ作品のレベルがけた違いだというのもあって些細なところでも考えてしまうが、アニメーション映画の出来としては最高に近い出来だと感じる
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