砂の海の真ん中にポツンとある岩の島。決してたどり着くことのできない巨大な砂の竜巻たちに囲まれている。そこにある粘土でできた立体文化都市。
男たちは漁に出て、息継ぎするときを狙って砂クジラを仕留めて岩の島に持ち帰る。砂クジラは砂の海を泳ぐ生き物。泡をまとって砂の中を泳ぐ。島民たちはその油や骨や核を使い、立体都市とモニュメントを作った。モニュメントは都市内部にある秘密の空間にある核の塊。島の形を保っている。
砂クジラを解体し、油を取り出す作業は砂辺の壁で囲われた港っぽい場所で女たちが行う。子供たちには見せないし、大人たちも見て見ぬふりをしている。
主人公はそんな街に暮らす臆病な少年。勇敢な漁師だった父は子供のころに帰らぬ人になった。同年代の仲間からは遊びに誘われるが勇気が出ないので引きこもる。
そんなある日、砂辺から来た不思議な女の子Xと出会う。Xは不思議な力を使いながら何かを探し回っていて危なっかしい。どこかに帰ると言う。主人公はXを放っておけず、面倒を見る。その様子を友達はあまりよく思っていないが(やきもち)、なんだかんだで平和な時間が流れる。
Xの不思議な力は徐々に知れ渡り、目立ち始めていた。
すると、Xがモニュメントの存在を知っているようなそぶりを見せているとして島の権力者たちに目を付けられる。モニュメントは限られた人しか知らない島の秘密。島の動力源であり、権力者たちの贅沢の源。
そんな中、砂クジラの大きさと数が減りはじめ、とうとう全く捕れなくなってしまった。燃料が減り生活が厳しくなってきた都市は不穏な空気に。Xを排除したい権力者は、この災いをXのせいにして人々をあおった。Xを庇い追われる身となった主人公。心配した友達もついてくる。
砂の海の上を追われ追いつかれそうになったところで、生き残っていた砂クジラの子供に助けられ事なきを得る。砂クジラの子供は島民に囲まれてしまう。そこへ、巨大な砂クジラが砂の中から現れ、島民を蹴散らして主人公たちを飲み込んだ。主人公は意識を失う。
目を覚ますと小さな岩島に流れ着いていた。辺りは水に囲まれている。そこには老人が一人で住んでいた。Xはいなかった。
老人に帰り方などを聞いても彼は何も知らない。そんな老人は退屈そうな生活をしている。主人公たちは戸惑いつつも、一緒に過ごすうちに楽しさを理解し、生きるすべも知り、老人のことを尊敬した。
突然、主人公は砂の海の上で目を覚ました。主人公を飲み込んだ砂クジラは駆られ、大量の空気を吐き出した後に息絶え、解体された。
Xは漁師に捕えられていたが、その漁師たちを竜巻が襲う。恐怖する一行。数人は竜巻に飲まれて消えてしまったがXはなぜか残っていた。
しばらくぶりに帰った都市は略奪や暴力などで住みにくい街になっていた。路上は食べ物を求める人たちで溢れ、井戸を所有する人は権力を得てそれに振り回されていた。新天地を求め砂の海に旅立った者までいた。
主人公たちとXはモニュメントの元を目指す。途中、モニュメントを守ろうとする権力者たちにも阻まれつつ、島民たちとも協力してとうとう接触。モニュメントは消滅し、Xも消えて行った。
静寂の末に都市は砂に還り、崩れ始めた。権力者たちの贅沢品も砂になってしまった。驚く人々。ただ、砂の海からは水が沸き、魚が泳いでいた。島の周りには新たな島が出現し、竜巻に飲み込まれた人たちが海の中から目覚めた。人々はやり直そうと決心し始める。