カメラワークについてはいろいろ考えている
まず、制作初期のころから変わり続けていないのが、2Dアニメの要素を取り入れた3Dアニメーションにする、というコンセプトだ
そのためには、形状、シェーディングと、カメラワークが重要になってくると考えている
そのうち、形状に関しては今回、あまり追及できていない
というのも、やはり17分の映像を作るうえで、効率化を図っていかないと成し遂げることができないと感じていたため、形状面での2Dイメージの表現はあまり追及しないことにした
形状面で2Dを伝えるためには、必ず、カメラの位置に応じて変形させることが必要となる
それに各カット対応しようとすると、ワークフローが悪くなる
一つの形状を創ったらそれを数カットにわたって使いまわす。ということをして、今回の作品は作っている
そういう、効率的なワークフローから外れる必要がある表現については、今回の作品ではあまり追及しないことにした
残りのシェーディングとカメラワークのうち、シェーディングに関してはここでは本題からそれるので触れない
カメラワークについて、この記事で語る
2D的なカメラワークというのは、平行移動、アイレベル、平行線、を意識した構図だと思っている
なので、今回のアニメーションでは、極力。カメラのトランスフォームに0、90、180という数値を多用することにした

壁、被写体があるとき、それらが記号的な配置になるようにカメラを配置し、演技も直線的なものにした
2Dアニメの背景の良さは抽象性だと思っている
そういったものを表現するために、カメラの位置と角度に余計な情報量を持たせたくなかった
上の例では。カメラは真横を向き、全く斜めっていない
そして、手すり、床、主人公の動きなどはすべて平行になるように作った
さらに、そういった平行のラインを誇張するために、望遠のカメラで撮るようにし、カメラ角度ではなく、blender内のシフトによってアイレベルを調整し、消失点が生まれないようにした
あとは、カメラワークについても、なるべく直線的になるようにした
昔のセル画アニメの要素を取り入れた結果生まれたものだ
昔のセル画では、撮影台にて背景を引いて撮影していた
そのころのイメージが今のアニメにも受け継がれていて、基本的にアニメの背景とキャラはリニアな動きでアニメーションする
……というのは、ここ最近僕の中で言語化されてストックされた技法だ
僕はアニメの持つ抽象的な世界に惹かれているので、こうしてその技法を言語化する前から、カメラワークはたいてい、リニアな動きで設定してきた
カメラワークに余計な情報を持たせるのは良くないことだと思っている
最近の作品を見ると、明らかにカメラを動かしすぎだと思う
動かして得るものは遠近感や形状などだが、ただ、そういう情報は必ずしも必要ではいないと思うし、形状はともかく、遠近感を伝えるためならカメラをほんの少し動かすだけでよいはずだ
とは言いつつ、現状のアニメはもっと動かしたほうが良いと思っている
今回の作品では、その中間あたりのカメラの運動量を、2Dではなく3Dで行うことにした
これ自体が現状の3Dアニメーションへのアンチテーゼでもあるし、僕個人が思う抽象的な画面構成への研究でもある
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