四国の山奥で何気なく立ち寄ったレトログッズ屋敷が良かった話

今度、フランスに行くので、その練習として飛行機で関西から高知まで、電車の旅をしてきた

山中ではいつも通り、超ローカル駅で降り、数駅歩いて次の電車に乗るという散策をした

今回は豊永駅から土佐穴内駅の間、12キロほど歩いた

山の中とは言え、川沿いのローカル線をたどる道路なので、起伏はほとんどない

ただ、やはり、日ごろの運動不足もあり、最後の方は結構疲れた

見るからに大量の虫が出てきそうな道だが、歩いているときはそこまで虫がいるという感じでもない

たまに芋虫のような虫が枝から垂れ下がっているくらいだ

なので、しっかり前を見ていないと、顔面でそれを受け止めてしまう危険がある

お尻から出した長い糸で風に乗って飛んでいるパターンもあるので、注意しないといけない

あとは、見たこともないような白いカニが道路を横断したりもしていた

途中で立ち寄ったレトロな物品を集めたお宝屋敷がすごく良かった

結構な穴場だと思う

僕以外誰もいなかった

昔のデザインはやはりどこか怪しい感じがしてよい

ホーロー看板などは僕も好きで、フォトバッシュ時代の作品に登場させたりしていたが、現物を見たのは初めてだった

ショルダーホンや、sonyのかっこいいプロダクトなどもあり、マニアにはたまらない感じだった

機能が実際の形状に現れているというのが、レトログッズの魅力なのかもしれない

旧車もそうだが、昔は装飾にかけられる余裕もなく、むしろ、機能=先進的だという価値観もあったのだろうと想像できる

だとしたら、機能自体をアウトラインとし、それに説明のための表記をしたり、そういう意匠がかっこよい。未来的、というような評価を受け、売れたのではないだろうか

今のトレンドは、どちらかというと、機能を隠す、生活感をなくす、スタイリッシュ、みたいなことだと思う

電線や配管が好きな僕としては、それも味気ないと思いつつ、最近のsonyのレンズのような、スタイリッシュでのっぺりとしたデザインのプロダクトは良いな、と思う

サイバーパンクではなくソーラーパンクな感じだ

ただ、そこで一つ言いたいのが、機能的な制約がなくなって、いざ自由に装飾できるようになったところで、美しいデザインを作り出せるデザイナーばかりではないということだ

最近の日本車がダサいという記事でも書いたことだが、デザイン上の制約がなくなったとすると一見良いことに思えるかもしれないが、実際のところは良く働いていない

日本車のデザインがダサいのは、どんな造形の車でも大抵は商品として実現できてしまうという時代になっているからこそ、プロダクトデザインとしての制約がなくなり、自由にデザインできすぎるようになってしまったからだ

美しい立体物のデザインという意味では、日本人はカーデザインには向いていない気がする

浮世絵の時代からデフォルメ、要素と要素を線に分ける、立体ではなく線画で形作る国民性なので、立体的な造形美がダイレクトに出るカーデザインの領域ではその実力を発揮できなかった

その他のプロダクトにおいても、昔のものと比べると今は自由度が高い分、デザイナーの腕が顕著にプロダクトに反映されるようになった

アニメだって、セル画時代のアニメが良かったのは制約によって強制的なデフォルメを強いられていたからだ

最近のデジタルアニメが作画やディテールでごり押しみたいな感じになってしまったのも、デフォルメがうまくできなくなってしまったからだ

その点、ソニーのレンズなんかは、できた余白を上手にデザインに取り込み、それを世界観にしている感じがあるのでかっこいい

アップル製品や、マツダの車も似たような気配を感じる

今後のデザインのトレンドは余白ではないだろうか

今後、ますます、デザインにおける余白は増えていくと思う

そうなったときに、それを上手くデザインすることが、今後のトレンドにおいて重要なのでは、と思った

余白を埋めようと余計なものを追加する最近のデザインはダサい

そして、何かを追加する余白すらなかったという意味で、基本的にかっこよかったのが、レトログッズだ

レトログッズやホーロー看板を見ていると、何かの目的を果たすために必要な物のみで構成されているような気がする

だからこそ生活の息吹や、物の存在意義などを感じられ、結果として芸術的な美しさを含むプロダクトになっていたんだな、と思った

知見

  • 預入荷物が無ければ飛行機は結構すぐに乗れる。が、遅延していることも結構ある
  • 飛行機からの眺めは雲を見ない限りはサングラス無しでも見れる
  • 地方の橋の手すりは低くて怖い
  • 通行規制区間の道路は楽しい
  • 雨上がりの景色はきれい。雨の中の旅も鉄道旅なら良いかもしれない
  • 風が吹いたとき、水が滴り落ちてきたり、その音がきれい。葉っぱが落ちてくるものきれい
  • 線路の近くは虫が少ない。
  • 土佐弁はイントネーションがかわいい
  • 高知市は思っていた以上に都会。新幹線が通っていないということもあり、独自の経済圏を形成しているような感じがあった

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