ローゼンメイデン 1期を見た

ローゼンメイデン_1
©PEACH-PIT/薔薇乙女製作委員会

生きる意味というのをテーマにしていると思われる

主人公のジュンは引きこもりで、両親は海外に出張中。お姉ちゃんと2人で家にいるという設定から最初、よくあるノイズ排除のハーレム設定なのかなと思ったが違った

引きこもりになるには理由があり、ジュンにも悲しい記憶がある、そのために引きこもっている

正直、物語序盤はやたらと反抗するジュンが主人公としてよく映っていなかったし、お姉ちゃんに八つ当たりしているような様子も良くないなと思った。

こんなに都合の良いお姉ちゃんもいないだろうとも思った、

が、終盤になってその理由がわかった

ジュンは受験に失敗し、世の中が信じられなくなり、他人を疑い、心を開けなくなっている

そんな弟を心配して姉は献身的に世話をしている

話しの構成を見るに、明らかに主人公のバックボーンは隠して物語を進めようとしている

こういう作り方は僕は大好きだ。

1話で切ってしまう人もいるので、昨今のアニメではなかなかできないことだが、12話見てもらう前提で作られたこういう構成のアニメは最後に問題が解決する感じがあるので、より深い感動を得られる気がする。

この作品の脚本は花田十輝さんだ

主人公に共感できない、数話見ないと主人公を好きになれない作品なので、だいぶ尖ってはいるが、

ただ、その構成の試みはやはりとても高度なもので、さすがだな、と思ったりもした。

それと、ジュンが引きこもる原因になったきっかけも、少しだが作中で語られていたが、それもとてもリアルだった

不登校というのは些細なきっかけでも起こりうることで、1日休むとその次の日も、その次の日も……というふうに、ずるずると抜け出せなくなり、最終的には学校に行くのがものすごく大きな決断になってしまう

そういう、不登校に陥る生徒のリアルな心情が脚本で描かれている点も良かった

さらに、この作品では、そんな主人公の元に人形が登場する

主人公は生きるということに疑問を抱いてしまうが、その意味を人形が教えてくれた

生きる意味を、生きていない人形から教わるというのがなかなか深い、

生きることは戦うこと、戦うというのは生きるという行為の根本にあり、

主人公はそれを人形から学び、成長した

序盤は嫌な感じだった主人公もしっかり成長し、人形たちを守り、最終話の最後には一人で外出し、学校の友達との接近も見られた

12話かけて主人公が成長していくという構成は、成長、というのを丁寧に描けていると感じたし、

だからと言って話が間延びしている感じは全くなく、サブテーマとして人形たちとの戦いなども挟まれ、12話がちょうどよい感じの構成になっていた

絵柄は2000年前後の懐かしい感じだ。個人的には一番好きと言っても良い年代かもしれない

なんだか久しぶりに面白いアニメを見た気がした、これぞアニメっていう感じがする。

2期もあるようなので、この後見てみる。

P,S,

声がとても良かった

声優のチョイスも完璧だと思うし演技も良かった

真紅の声なんて、これ以上適役の人はいないんじゃないかってくらいに上手くはまっていたし、

言葉の最後をしっかり発音するような、アナウンサーみたいな話し方も、真紅というキャラクターに合っていた

それはもはや声でも文字でも表せないニュアンスで、もしここまで指定されて作られているのだとしたら、すさまじいほどのこだわりだ

水銀燈の声も、笑い声なんか完璧だったし、キャラのバックボーンともあっていた

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