イカゲームを見ている

流行のものということで、イカゲームを見ている

評判通り、楽しく、先が気になる展開が目白押しな感じがテクニカルだ

やはり、この先どうなるんだろうだとか、そういう、野次馬的な本能が人間には備わっているので、それを刺激する物語は強い

そして、それが生死に関わるとなおさらだし、さらに、お金も絡んでくる

カイジとか、賭ケグルイとかもそうだったが、人間が敏感になりやすいこの手の作品はやはり強いな、と思った

イカゲームに関しては、ネトフリの予算を味方につけたハイレベルな実写なので、それ以上の臨場感がある

現時点では4話まで見た

物語の作り方もキャラクター付けもわかりやすいのですぐに楽しめる感じが良い

特に、舞台設定を利用した展開があるので、脚本としてのレベルは一段上だと思った

たまに、その作品ならではの舞台装置と、お話の展開が独立してしまっている作品がある

いくらかっこいい乗り物が出てきても、いくら趣深い文化が出てきても、それがお話に影響を与えていない作品は単なる良いものの足し算でしかない

良い作品とは、良いもの同士が掛け算されている作品だ

舞台装置や世界観が展開やテーマに影響する

例えば、攻殻機動隊のサイバーパンクな世界観は、魂とは何か、人間とは何か、そういう哲学的なテーマがキャラクターにも展開にも出てくるし、そして、世界観にも影響している

自主制作とかならともかく、人様に見せる作品の条件として、世界観とテーマと展開が一枚岩になった作品というのがあると思う

このイカゲームに関しては、ピンク色のスタッフみたいな人に紛れて刑事が潜入するという展開があるが、そういうところが世界観と展開が一枚岩になっている感じがしてよかった

鶏が先か卵が先かみたいな考え方で作っていると、この展開にたどり着くことはない

両方を同時進行で考えていって、この展開とあのピンク色の衣装が浮かび上がってくる

スタッフに紛れるには、顔がわからないデザインにする必要があるが、それは同時に、スタッフたちの不気味さを演出する装置にもなっている

ということだ

この2つが同時に満たせている時点で、やはり、プロの脚本家の仕事なんだな、と思った

あとは、リアリティのレベルに関して、

これに関しては低めなのか高めなのかよくわからなかった

絵も空間もリアルで、なんだか、一昔前のシダックスの店内のような人工物と自然物のミスマッチさが良い味を出していたが、

ただ、そういう、良い意味で既視感のある空間。そして実写という媒体、そういうリアルさが高まった状態の絵の割には、展開が結構漫画っぽい気がした

最初に気になったのはだるまさんが転んだのとき、明らかに弾が貫通しているので、関係のない人を殺してしまうのでは? と思った

あれだけ混乱したら誤射したり、撃ち漏らしもあったりするのではとも思った

日本のコンテンツだったら、おそらく、首輪か何かをつけて爆発する。みたいな感じにするだろうが

ただ、そうすると、あの、パニックになった参加者たちを一掃していくという強い絵が得られなかっただろうから、一長一短という感じかもしれない

あとは、刑事の尾行も普通に気づかれそうな感じだったし、

参加者を合言葉で判別するのも古典的すぎた気がしたし、

絵の造りこみと展開の解像度があっていない感じがしたのは少し惜しい気がした

全体的な展開については、途中、参加者たちをゲームから退場させたというのがとても良かったと思う

あれをすることで、参加者たちは選択してその場にいるんだという、本気の空気を作り出すことができたので良かったと思う

あれが無いと、参加者たちはよくわからないままその場に居合わせ、なんとなくでゲームをこなしていく。という空気感になってしまう

つまり、01ではなく、もっとぼやけた動機で参加し続けることになってしまっただろう

なんかそれっぽい決意をセリフにして……みたいな、姑息な見せ方をせず、一度ゲームから退場させて登場人物たちに選択させることで、その後の展開がすべてピリッとした空気に切り替わった

日常に戻ったことで、それぞれの参加者のバックボーンを違和感なく見せることも出来ていた

あのタイミングで日常に戻すというのは良いアプローチだったと思う

今、綱引きを途中まで見たところだが、ここで初めて、参加者を蹴落とさないと勝ち上がれないという展開が来た

つまり、これまで各々勝手に勝者を決める展開だったのが、ここにきて淘汰的な展開となった

これはこの手の作品では避けて通れない要素だが、これについて脚本でどういった答えを示すのかがこの作品のカギになってくる気がした

恐らく、主人公が勝ち上がるのは作品的に確実だとしても、それは同時に、主人公たちが他の人間を殺すということになる

その、重いテーマをどう扱うのか、どう見る人に伝えるのかが気になるところだ

第5話を見ている

人を殺して先に進むという、重いテーマについては、やはり、その後重苦しい空気になっていた

これについては、この展開を持ってくるタイミングが良かったと思う

話数をまたいでこの展開を入れることで、これがイカゲームだ。というようなことを印象付けることができていた

信仰のある人がメンバーにいたのも、業が深い感じがしてよかった

今のところ思っているのが、スタッフの素顔が明かされていったり、メタ的なところを解明するという、別のベクトルに話が動き出したな、ということだ

大腿のコンテンツはそういう作りをしている

約束のネバーランドも、SAOもそうだ

脚本の鉄則の一つに、0か1かの問題は大抵0でも1でもない結果となる。というのがある気がするが、

それが少し当てはまている気がした

これにより、話のマンネリ化を防いでいる

最終話まで見たが、

やはりこれほどまでに悲劇的な中盤だったので、お金をもらってハッピーみたいな感じでは終わらない

が、それでもできる限り恩返しをしている様子は終わり方としては良いと思った

特に、最後までゲームをして死んでいく老人もよかったし、そのゲームも質素なかけ事というのがまた粋だった

全体的に楽しめる要素が多く含まれていた一方で、やはりリアリティの度合いについては気になってしまった

ゴジラ-1.0を見たときもそうだったが、予算や情熱をかけて作られたきれいな解像度の絵は、それ相応のリアリティのある脚本が必要だ

きさらぎ駅みたいに、B級みたいな内容の映像なら、見る人もそういう解像度の作品なんだというのを冒頭くらいから意識して見れるので特に問題はないのだが、

イカゲームの場合、セットも豪華で映像もきれいなので、それに対応するレベルのリアリティラインが必要となる

先に挙げた点もそうだし、最終話まで見て、これだけ金を作られて建設された施設なのに、隠し通路がチープだったり、過去の参加者リストが置かれている部屋が金庫でもなんでもなく普通の部屋だったり、

潜入してきた刑事をフロントマン直々に追い詰めようとしていたし

そもそも、刑事も、潜入して証拠をつかめた状態で、誰にも気づかれずに潜水装備と共に島を脱出できそうなシチュエーションに遭遇したら、普通は脱出するだろう

こういうのに関しては、ドラマでありがちだが、突っ込みどころがある点は結構あった

セットは本当に豪華で、よくあるコントの板張りセットみたいなものではなく、金属はちゃんと金属っぽいし、大理石もちゃんと大理石っぽい

扉の動きや空間の大きさ空気感もリッチで、とても良かった

VFXもレベルが高く、特に、ガラスを渡るゲームのところの映像はとても良かった

そういえば、今回の作品は、セットであるということを認めたうえでの世界観だ

つまり、作り物であるということは世界観に盛り込まれているので、セットっぽいセットを造ればそれがリアルであるという、強い状態になっている

僕が前回の自主制作でも試みたことだ

そうすることで作りものだという、作品における嘘っぱちを排除して映像化することができている

それに加え、ネトフリの潤沢な予算もある。

この2点によって、映像の持つ空気感をここまで高めることができたのだろうか

安いデスゲームものではなく、本当に怒っていてもおかしくないくらいの臨場感はこれが大きな理由になっている気がした

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