TBSのドキュメンタリーだ
僕は昔から、犯罪心理に興味があり、特に、死刑囚の描く絵や言葉は、現在進行形で起こっている文明の問題点のすべての結果なような気がして、興味深く考えていた
このドキュメンタリーでは何人かの死刑囚との交流を記者が報告するような形で紹介している。
それらについて、思ったことを整理してみる
犯罪が悪いということは言うまでもないので、そのうえで、感じたことを言語化してみる
結果としての犯罪
世の中の結果として犯罪があるのだと改めて感じだ
幼少期の家庭環境が劣悪だったり、そういったすさんだ環境で育った人間は犯罪的な思想になりやすいのだと思う
それについては、社会の責任もあるのでは、と感じた
世論なんかを見ていると、犯罪者=悪みたいな決めつけが横行している気がする
そういうのは気軽に発言して良いものでもないし、そういうものを気軽にしてしまう現代だからこその、凶悪犯罪があるんだと思う
悪いものは退ける。その結果として凶悪犯罪があるのでは、
凶悪犯罪は社会の結果としても起こりうるのだというのは、ネットリテラシーの一つとして全員知るべきだ
表現としての犯罪
表現の手段として犯罪があるケースもある
自分の主張を受け入れてもらえないから暴力で強制的に受け入れさせる
その結果はたいてい、犯罪だ
ただ、自分の主張を受け入れてもらう。というところまでは表現だ
その点、僕も物語を考えている人間なので、その気持ちは理解できる
そう考えると、自分と犯罪者の違いが法を犯しているか否かくらいの違いしかないようで、不安になる
法を犯しているか否かというのは重要なことだが、個人的には、法というのも完璧だとは思っていないし、
先ほどの話にもあった、結果としての犯罪なのであれば、僕はただ単に運が良かったからこうして善良な市民として生きているだけな気もしてきた
そういう考えがあるので、僕は犯罪に関して興味がある
塀の中の犯罪者と塀の外の犯罪者
塀の中の犯罪者はとても気持ちの整理ができていると思う
自分のやったことがどういうことかを理解しているので反省している
反省していない囚人もいるが、そういう囚人は自分の主張が整理され、一貫している
少なくとも、ドキュメンタリーでは、なぜそういうことをしたのかを説明できない人は出てきていなかった
刑務所内ではもちろん、娯楽も生活環境も、質素で最低限だ
だからこそ、自分の気持ちを考える時間が多く、結果として自分の気持ちを整理できるのかもしれない
ただ、これは刑務所の中だからというだけの話だ
その囚人がもし、刑務所の外にいたら。反省して涙を流しているようなことはないだろう
なぜならその気持ちを紛らわすものがたくさんあるから
犯罪にだって手を染め続けているかもしれない
逆に、街中で犯罪を犯す犯罪者が刑務所に入ったら、急に反省しだすこともあるだろう
つまり、環境がその時の人間に反省をさせているだけだ
それがその人の本性なのかについては何とも言えない気がした
だから何というわけではないが、
世の中には刑務所ボケという言葉もあるくらいだ
刑務所の中だからこその後悔の念だが、外に出たらまた別の人間になってしまうということもあるのでは、と思った
まとめ
このドキュメンタリーは一見すると、死刑囚を擁護するような立場から構成されている気がする
個人的にはそれでよいと思っている
犯罪に対してバッシングするのは世の中当たり前のことだ
その当たり前を認めたうえで、こういった死刑囚側にマイクを向ける映像というのは意味があるのではないだろうか
ただ、同時に考慮しないといけないのは、僕もそういう、犯罪者への理解が必要だという考えを持っているということだ
そういう考えを持った状態で見ているドキュメンタリーなので、そういうバイアスがかかった状態でこういう文章を書いている可能性もある
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