「カールじいさんの空飛ぶ家」を見た

せっかくディズニー+に加入しているのに、最近はDアニメストアでドラゴンボールを見るだけだった

なので何となく、この作品を見てみた

この作品は、だいぶ前に見たことがあるような気がする

が、その展開なども忘れていたので改めて見てみた

カール爺さんの体力が凄い

まず思ったのは、カール爺さんが元気すぎるということだ

岩山を移動するだけでもすごいのに、カール爺さんは家を一軒引っ張っていた

岩山というのは見た目以上にハードな場所で、僕も、筑波山から下山しただけで5日間くらい動けなくなくなった

他にも、体調3mほどの鳥と、10歳くらいの子供と、中型犬がぶら下がったホースを一人でつなぎ留めていたりもした

もちろん、そういうことを指摘するのははおとぎ話的解釈の前では無粋なことだということも理解しているが、さすがにカール爺さんは元気すぎる気がした

絵的な美しさ

カラフルな風船が煙突から出ている様子は、シルエットですら美しいくらいに絵になる演出だ

影が太陽光に透けて色づいているのも面白かったし、

暖炉から繋がった風船の糸を切って上下をコントロールしている様子も、アイデアが面白い

そもそも、古い家がカラフルな風船によって飛んでいるという様子自体も、物語中のカール爺さんの振る舞いを反映しているようで良かった。

3DCGのレベルが高い

ピクサーなので、言うまでもなく3DCGは最強だった

ただ、ここではあえてその弊害に触れるが、

カール爺さんが元気すぎたり、暖炉の一点で家が浮いたり、家が都合よく操縦できたり、何十年も前の飛行船がメンテナンス無しで操縦可能だったり、

そういう、物語の演出上の嘘が気になってしまうのは、3DCGのレベルの高さが招いたことだ

脚本の解像度と、絵の解像度は合わせる必要がある

おそらく、このことにあまり配慮していなかったがために、ちょっと違和感を覚える感じになってしまったのではないだろうか

似たような作品としては、ゴジラ-1.0とかがある

もう少し、セルルックっぽい質感に3DCGを寄せるなどして、絵としての解像度を下げるなどの工夫が必要な気がした

風船というタイムリミット

物語には何かしらのタイムリミットが必要だ

それがあると、物語が緊迫した物になる

そして、そのタイムリミットを、そのまま具体的なモチーフとして風船にし、物語に組み込んでいる

風船はガスが抜けて浮力を失うし、

一度空に放たれた風船は元には戻らない

洞窟の壁などに擦れるだけで風船が割れる

風船が割れるという絵自体が、タイムリミットというものを強く感じさせる

そう考えると、やはり、主人公がおじいさんというのが良く働いている

人生のタイムリミットが迫っているおじいさんと、風船が割れ続ける空飛ぶ家は意味合いにおいてリンクしている

だから、ただ風船が割れるだけでも、カール爺さんの冒険が終わりに近づいているような寂しさを感じる

ストーリー

一番良いなと思ったのが、家具を捨てて再び浮き上がるシーンだ

あの場所にたどり着いたとき、カール爺さんは定住することに決めていた

が、そこで、改めて室内を見てみると、散乱した家具とボロボロの家に寂しさを覚える

そして、亡き妻の言葉を目にして、冒険が終わっていないと感じ、家具を捨てる

家具を捨てるというのが、新しい冒険の始まり。これまで積み上げてきた思い出、あるいは慰めとの決別。

そういうものをこれまた絵として直接展開にしている点が良かった。

この映画は、ものすごくメタファー的な考えでモチーフが考えられた作品な気がした

おじいさんが長年住んだ家が風船で空に浮かび、少しづつ高度を落としていく

絵的なものと意味的なものがリンクしている

まとめ

エンタメ的な面白さもあり、テーマも単純明快で多くの人が共感を感じそうなものだった。

メタファーの使い方がとても上手で、参考になった

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