映画、バブルを見た
なんだか評判が悪いので見てみたが、個人的には、そこまで悪いという感じでもなかった
確かに、ストーリーや構成、背景美術もちょっと変なところはあったが、
ただ、個人的には、映画は雰囲気を楽しむものだと思っているので、その点、バブルのユニークな世界観は楽しめた
泡について
泡というのが作品の柱となっている
泡というのは儚いもので、すぐに消えてしまう。が、美しい
その特徴をヒロインと重ねることで、儚く消えるヒロインというのを美しく見せていた
泡があふれる世界。重力がおかしい世界というのも絵として美しかったし、
それとパルクールを合わせるというアイデアも良いなと思った
作中の子供たちは親がいない。みたいな雰囲気があるが、
それは単に、親というストーリー構成上のノイズを消したということなのだろうか、
とあるシリーズや無限のリヴァイアスのような、学生しかいない世界観。というのは確かに魅力的だ
文化祭前夜の学校みたいな雰囲気がある
そしてバブルも、そういう世界観を意図的に作り出している感じはある
売れる世界観を意図的に作り出す手腕は感じられた
さらにその世界観は泡によって外部と遮断されている
泡というモチーフひとつでこれだけの世界観や設定などを実現したという点はすごいなと思った
作画、背景について
作画に関してはたくさん動くカメラワークで大変だったろうなと思う
どちらかというと、カロリーの高い作画を楽しむという類に近い気がした
あと、背景に関しては、良いところとそうでないところの差が激しかった印象だ
特に、東京タワー周りのビルの書き込みが時々甘くなるのが気になった
東京タワーと比較して、ビルの大きさに説得力が無いカットがあったりしたのが気になった
作画や背景は基本的には良いが、若干惜しい部分もある。
撮影やエフェクトがきれいだったので良く見えているという感じはあった
構成について
この作品で一番惜しいと思ったのが、この物語を劇場版の映画の尺でやってしまったことだ
要素がいくつもあるのに、これを劇場版にまとめるのは無理がある
全体的に見ていて思ったのが、この世界観はテレビアニメの脚本家の考えだな、ということだ
登場する要素はそれぞれ素晴らしいもので、掘り下げることもできたと思う
が、劇場版でやるにしたら量が多すぎるし、それでいてすべてを同時に掘り下げようとしてしまっているので、どの要素を見ればよいのかわからない
例えば、最後にヒロインが消えるという展開がご都合主義っぽいという意見があるが、
それはご都合主義なのではなく、ヒロインが消えるということに説得力が無いからそう見える
「蛍火の杜へ」という作品がある
あの作品もバブルと同じく、パートナーが消えてしまうというクライマックスだが、
ただ、あの作品の場合はご都合主義なんて全く感じないし、むしろ消えてしまう儚さが美しく見える
なぜそうなるかというと、蛍火の杜へでは、儚さというのをテーマに最初から最後まで描いているからだ
この作品は儚く消えるものを見せたい作品です。という額縁を通して見るようなものなので、見る人はどこかで儚さを期待している
最後消えてしまう気配を感じたうえで繰り広げられる二人の距離感に儚さを感じるわけだ
その点、バブルでもクライマックスとしては同じなのだが、儚さが美しく見えない
なぜなら、儚さ以外の展開、歌だとかパルクールだとかを同時進行でやってしまっているから、このパートでは儚さを表現しています。というよなすみ分けができていないからだ
この作品は1クールのアニメとかでやれば良い作品になっただろう
序盤、ヒロインと出会い、仲良くなり、しばらくは謎のヒロインとしてチームの傍にいる。ここでパルクール関連のハラハラドキドキ展開を盛り込む
中盤、ヒロインと仲良くなり始め、結ばれそうになるが、触れると泡になってしまうことが判明する。ここで儚く消えてしまう運命がなんとなく見え隠れしてくる。
終盤、世界観の解明と、危機の到来。ヒロインの犠牲により何かを救う。代償としてヒロインは消えてしまう。消える間際の展開に泡のような美しさと儚さを感じる
テレビアニメでやるとこういう感じになり、楽しい作品になりそうな気配がする
こういうものをそのまま映画にしようとしてしまっているのだろう
時間がたっぷりあれば、それぞれ深堀できたし、むしろ、12話も作るならそれくらいの要素は必要だ
ただ、映画という限られた時間でそれを見せようとしてしまったので、同時進行にならざるを得なかったし、それでもまだ足りないくらいだった。
たぶん、時間感覚が12話の状態で映画を作ってしまったのが一つ大きな惜しいポイントだろう
まとめ
世間では評判が悪い作品だが、個人的には楽しめた
アンバランスな感じはあったが、ただ、根本的に見せられているものを解釈しなおすと、内容は良いことに気づく
なぜここまで評判が悪いのかはよくわからない。世の中にはそもそも何かを見せようという気持ちすらないような、もっとひどい作品だってあるのに、
バブルは一応、何を見せたいかというのがしっかりしていたし、それらに対するアプローチ自体も上手だった
あと、個人的には、非日常的な世界観に触れられるのが映画の醍醐味の一つだと思っているので、この作品の持つユニークな世界観も楽しめた
Tweet
この記事をツイートする
Youtubeやってます!
作品発表、メイキング、解説もやってます
よろしければ高評価、チャンネル登録、よろしくお願いします
お仕事募集中です
お問い合わせフォーム、またはX(Twitter)のダイレクトメッセージからお気軽にお問い合わせください。
お仕事以外のご相談、顔合わせ等のご連絡も大歓迎です。
おすすめリンク
ブログ記事ジャンル

最新の記事
- キャッツアイ 9話の背景CG制作と技術開発で参加しました (2026/01/11)
- 【blender】ジオメトリノードを用いた法線スムース (2026/01/08)
- 2026年 (2026/01/08)
- 北極百貨店のコンシェルジュさん を見た (2026/01/02)
- 無痛の社会(構想中) (2026/01/01)
- 今年の振り返り (2025/12/31)
- 自主制作アニメーションのための自問自答、性善説などについて(検討中) (2025/12/29)
- 果てしなきスカーレットを見た感想 (2025/12/28)
- cgworldさんにて、自主制作アニメーション、『MARIONETTE』に関する記事が公開されました。 (2025/12/25)
- blenderを用いた3Dコンテ (2025/12/24)
- 山崎まさよし”One more time, One more chance”アニメカバーMV 3DCG制作を担当しました。 (2025/12/24)
- OVAについて (2025/12/22)
- geminiとChatGPTに関する所感 (2025/12/22)
- MEMORIESを見た (2025/12/14)
- “レンガ構造物ジェネレーター”アップデートしました (2025/12/11)


