セル画アニメの良さ

セル画アニメが良いというのはいろいろなところで言われている

その良さのキーワードに、リニア。というのがある

カメラワークが直線的だというのがセル画アニメの特徴の一つにあるのではないだろうか

撮影台で背景を引くとき、基本的にはどっちの方向にどういう速さで、という指示で引かれる

つまり、等速直線運動、直線運動だ

だからセル画のカメラワークは直線に、一定速度で動くことが多い

これにより、何かを伝えるために必要な情報以外の情報を省くことに成功している

僕が求めるノスタルジーも同じ原理だ

記号的ともいうが、アニメは印象を見せているものなので、それ以外の情報は省かれている

その省くという行為をカメラワークに応用すると、直線的なカメラワークとなる

ちなみに僕も、昔からカメラワークは直線的なものにしようと心掛けていたりする

子供都市を作っていたころからカメラワークをリニアにしていたし、

それ以降の作品も基本的に、カメラは移動、回転、それらを直線的にするように心がけている

これはセル画アニメの魅力の一つ、直線的というキーワードをかみ砕いて、3DCGというフィールドに代入して生まれた見せ方だ

ちなみに、これを映画に代入すると、僕の大好きなキューブリック監督のような、シンメトリーで凄みのある画面になる

北野武監督も同じような見せ方をしている気がする

そして僕もその見せ方が好きで、いままでも追い求めてきた

カメラに変にキーフレームを打つのは基本的に良くないことだと思っているし、

最近のアニメなんか動かしすぎだと思う。作画すればよい、カメラを動かせばよいと思い込んでいる

アニメもなんでもそうだが、カメラもキャラも必要最小限の動きで見せた時。ノスタルジックな世界観が生まれるものなので、基本的に無意味に動かすのはそれに意味を見出していない限り良くない見せ方だ

↑は今作っている自主制作の例だ

エレベーターのゴンドラ、背景、黒い筒、カメラワーク。

すべて直線的に動かして画面を作っている

さすがに3Dシーンなので、パースを殺して画面を作るようなことはできなかったが。

それでも、2Dで作った画面のような景色に少し近づけたカットな気がする

これを本気でやろうとするならば、背景用のカメラ、ゴンドラ&近景用のカメラ、超遠景用のカメラ、3つくらいのカメラでレンダリングした大判の背景をAEなどで平行移動して見せる必要があるだろう

本当はそれをやりたいところだったが工数削減のために今回はすべて3Dシーンでやった

ここで変に動きに緩急をつけてしまうと、個人的にはあまり面白くない画面になってしまう気がする

見せ方によっては悪くはならないが、それは緩急という余計な情報が画面に含まれることになるので、個人的にはあまり好きではない

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