ベルセルクを見た
アニメ大好き外国人がようつべでリメイク版を批判している動画を結構前に見た
それから漠然と気にはなっていて、最近、目に留まったので見てみた
こうして記事を書くくらいなので、とても良いアニメだった
なんだか凄みを感じる
この凄みというのは、シュールだったり、リニアだったり、規則的だったり、というような感じの雰囲気全般を示す
ベルセルクでは、劇伴がとても少なかったり、カメラアングルが状況説明的だったりして、とても凄みを感じた
扱っている物語も重いものだ
それも相まって、この独特な凄みを生み出しているのだろう
良い意味でテンポの悪いリズムだった
敵が登場しても、説明を全部見せるし、カットの最初と最後に余白のような間があったりした
それは意図的にやっているのかはわからないが、先に述べた凄みと相まって、なんだか断片的な印象に仕上がっていたと思う
東京物語みたいな感じだ
ベルセルクはアクション系の作品なので、この、断片的でテンポの悪い雰囲気とのミスマッチが独特な雰囲気を醸し出したのかもしれない、
あとは、ストーリーについて
少なくともアニメ化されている範囲では、キャスカに関するジェンダーへの問いに関するストーリー、グリフィスに関する個人の野望と周囲の犠牲に関するストーリー。その両者をつなげる主人公ガッツ。
という構図なのかもしれない
ガッツの物語については僕の理解力不足もあり深くはわからなかった
グリフィス、キャスカという、光と影のあるキャラクターに触れていき、大人になっていくという構図だろうか、
それくらいしかわからなかったので、キャスカとグリフィスを取り巻くストーリーについて文字にしてみる
まず、キャスカについて、
最初は女に生まれたくなかった。というような闇を打ち明け、それに関するストーリーが本格化していく
このセリフで、最初、戦場という男性優位な場所で活躍を望む女騎士のキャスカ。ただ、体力に劣っていることは仕方のない事実で、それに苦しむ、
という構図でジェンダーをテーマにストーリーを作っていくと思っていたが、この作品はさらにもう一つのレイヤーがあった
というのも、キャスカが女騎士になった原因は、昔、貴族に乱暴されそうになったのがきっかけだ
それ以前のキャスカはアニメで描かれていなかったので、描かれている範囲だけでの感想にはなるが、
キャスカはあの事件が無ければ、女騎士にはならなかった
つまり、キャスカを女騎士にしたのは男貴族の乱暴だ
女だから、ついでに言えば平民だから、貴族の男に搾取されそうになった
そして騎士にならざるを得なかった。
さらに、騎士になった先でも、ジェンダーに関する問題で感情が動いていく
きっかけもそのあとも、同じテーマで同じことを語っている
ひとつの出来事を通してテーマを語るのは簡単だが、このように、2つの出来事で同じテーマを語るのはトリッキーだと思った
キャスカは最初から最後まで服が破けたり、性的に搾取されているようなセリフ、描写があった
そういうものも含めて、一つのテーマを強く伝えることができているストーリーラインな気がした。
キャスカに関しては、ストーリーの終盤。女になっていく様子も描かれていたので、そこは展開上の着地になっていた気がする
あとは、グリフィスのストーリーについて、
何かを成し遂げるためにほかの多くの人を犠牲にしている姿。
何かを成し遂げるというのを城に比喩して物語にしている
これはとても直感的でわかりやすい。というか、個人的にはグリフィスのこの気持ちはよくわかる
僕も、夢を持っていて、そのために多くを犠牲にしている人間だ
他人を直接犠牲にしているわけではないが、
ただ、僕が目立つということはその分誰かが目立たなくなるということだし、僕が仕事をするということは誰かがやるはずだったその仕事を奪うということだ
自分の体も痛めつけ、若い時間もささげて、夢(城)を目指している
その姿は作中でのグリフィスのようだ
それに気づき、引き返そうとするとおばあさんに止められる
そこでは、自分も死体になってしまう。と止められていたが、
僕はそれよりも、自分のために屍の山となった人たちのことを思うと止まることはできない。というようような気持になった
……というのはこの作品のレビュー関係なく、単なる個人的な気持ちなので伏せておく
とにかく、グリフィスのストーリーはとてもストレートで、裏表ない簡単な物語だった
そして、そんなグリフィスとキャスカをつなぐ主人公ガッツ
彼に関する物語は今のところよくわかっていないのでまた今度考えてみる
人を知らない子供が人を知っていく。というくらいにしかわからなかったので今度考えてみる
が、機能としては、キャスカを騎士ではなく女にするという点で、役割があるだろう
そして、最後。寝取られ展開だ
あの後。劇的で絶望的なまま終わるが、結局キャスカがどうなったのかはアニメの中では描かれていない
そして、1話の最初と同じく、刀鍛冶のおじいさんの家にシーンが戻る
だいぶ説明を端折っているが、もはやベルセルクほどの凄みのある作品ならば、そんなのは気にならなかった
個人的にはそういう作品は大好きだ
退屈と言われそうだが、そこに凄みがある気がする
僕は映画やアニメが神聖なもの。その成分を含んでいる必要があると思っているので、それを実現する凄みという概念が含まれたこのベルセルクも。とても良い作品だと思った
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