アナ雪を見た
2013年の映画で、前回は確か、公開当時に話題になっているころに見た
なので、10年以上ぶりだ
今もそうだが、ディズニーアニメをあまり見ない僕だ
ただ、この作品はさすがに話題になっていたので見た
その時も楽しく見れたが、悲しいことに、あれから10年くらい経ってまた見方も変わった
カメラアングルについて、戴冠式後のパーティーのシーン
エルサとアナが椅子を挟んで向かい合っていて、それをシンメトリーな感じに撮っているカットがあった
カットの前半はシンメトリーなので、安定したレイアウトだ
ただ、アナがその場を後にすると、エルサは不安な表情になる
そして、同時に。シンメトリーだった構図もバランスが悪くなった
つまり、キャラの心情とレイアウトをリンクさせている
これが意図されたものなのかはわからないが、とても高度な見せ方だと思った
全体的なストーリーについて
岡田斗司夫の解説を少し聞いた後に映画を視聴したので、心してみることができたが、
ありのままでの歌を歌うシーン。
あのシーンは確かに、前向きな歌だと漠然と思っていたが、改めて映画を見ていると違うことに気づいた
どちらかと言えば、闇落ちみたいな感じだ
歌の冒頭ではまだ不安の残るエルサ。肩には国での責務の象徴であったマントが圧し掛かる
が、歌が進むにつれて吹っ切れて、自分を縛っていた手袋を捨て、責務であるマントを脱ぎ棄て、魔法を放ち、崖に切り分けられた孤立した土地に氷の城を築く
そして最後には心を閉ざす
心を閉ざすというのは自分の世界にこもる。それだけでも満たされると割り切るということだ
少しも寒くないわ。というのは単なる強がりだろう
それを溶かすのがこの後しばらくのストーリーの目的として機能している
ミュージカル仕立てな構成について
ディズニー映画は基本的にミュージカル仕立てなので、そういう流れを汲んでいるというのは言うまでもないとして、
この映画におけるミュージカル仕立てというのは、全体の構成的に見ても理にかなっている気がした
この映画、序盤の30分ほどで、登場人物の説明、世界観の説明だけでなく、幼少期からの話をちゃんと見せている
もはや、雪だるま作ろうの1曲中で、おそらく10年くらい時が進んでいる
この作品の序盤30分はとてつもなく早いテンポで進んでいるが、それを感じさせないようにうまく機能しているのが、曲だ
曲に乗せることで、やっているのはダイジェストなのに、ダイジェストということを隠すことができている
いや、ダイジェストというのを曲でラッピングして、作品として違和感のない進行を実現している
そういう手法は他のディズニー映画でもとられているのだろうか、わからないが、
日本のアニメでもなかなかない表現な気がした
生まれて初めての終盤。アナとエルサの曲のパート別けが凄い
「生まれて初めて」は、戴冠式にワクワクするアナの、明るい歌から始まる
ただ、曲の途中で雰囲気は変わり、エルサの内に秘めた不安の歌になる
そしてそのあと、最後。アナとエルサ2人のが交互に歌っているようなパート別けになる
音程も、歌詞の内容でも、一目瞭然だが、表がアナで、裏がエルサ。2人の心情を曲の中のパートに分けて表現していた
エルサの苦しみを何も知らないアナの無邪気さ、アナを城から見守る闇を抱えるエルサ。
この関係を曲の歌い訳で表現しているあの演出はとても良かった。
個人的に気になったところ
こういう作品にこういうことを言うのは無粋かもしれないが、
真実の愛。というのが少しご都合主義な気がした
ただ、クライマックスの真実の愛が、クリストフによるものだと思わせといて、実は姉であるエルサの物だという意外な展開は良かった
とはいえ、やはりちょっと、真実の愛だと抽象的過ぎる気もした
これは、ゴジラ-1.0の時も同じようなことを書いた気がするが、
映像がリアルになると、それ相応の解像度を持つ脚本が必要になってくる
アナ雪が絵本のような絵柄のアニメだったら真実の愛で良かったかもしれないが、
あのレベルの3DCGで、真実の愛と言われてしまうと、少し解像度があってない気がした
時代に合わせて変化するディズニー映画
僕はほとんどディズニー映画を見ていないが、アラジンは少し前に見た
そこでは、精神障害患者を揶揄するような展開があって、時代を感じた
そもそも、ディズニーは昔、太平洋戦争のプロパガンダ映画を作っていたこともあったくらいだ
ディズニーは結構過激なスタジオなんじゃないかと、個人的には思っている
そして、アナ雪のテーマもまた、これまでのディズニーとは少し違うものになっていた気がした
多様性に関してテーマに含め、どちらかと言えば負の物として描かれている魔法を個性と割り切る展開もあり、時代に合っている気がした
3D作品のデフォルメ
3D作品はデフォルメが苦手で、情報を取捨選択するのが難しい
なので、抽象的で魅力的な雰囲気を伝えるのは苦手だ
ただ、やはりディズニーレベルのスタジオになると、日本のアニメと同じくらいのデフォルメされた世界を、3Dで伝えることができているようだった
アナが生まれて初めてをうたっている最中、
ソファを踏んでジャンプして空中で一瞬止まっているようなカットも、文字で書いて絵本のようになってしまう演技だが、それを情報量の多い3D媒体で、違和感なく表現していた
先ほどの話ではないが、映像がきれいになればなるほど、脚本の解像度が必要だ
ただ、ソファでジャンプして空中で止まって、みたいな。解像度の低い展開を、写実的なルックで違和感なく表現してしまうディズニーのアニメーターはやはりすごい
総評
とても良かった
ストーリーはわかりやすく、絵的に盛り上がる展開も多いし、ギャグも面白かった。
そして何より、雪だるま作ろう、ありのままで、生まれて初めてなど、
魅力的な歌が多かった
このような形にヒットの理由が揃っている点においては、君の名はも同じようなものなのかもしれない
時代に沿って変わるディズニー映画を感じるという意味でも、エンタメ映画としても、良いものになっているので、これだけのヒットになっているのでは、
という気がした
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